長野県の特別養護老人ホームで、入居者にドーナツを

与えたあとで窒息死した、という疑いで起訴された

准看護師の女性に逆転無罪判決が出た。

なぜ遺族との間に示談が成立したのに検察は起訴した

のだろうか? その意図がよくわからない。

 

高齢者は本当によく誤嚥するもので、私も父の介護を

しているときは冷や冷やものだった。

なので、現場の介護士の苦労は想像できる。

 

誤嚥を防ぐために、とろみをつけたものを食べさせたり

したが、やはり本来の食感のまま食べたいという希望が

あって、おいしさと誤嚥防止をどう両立するかは難しい。

 

 

人がどのように死ぬのかは、本人はともかく遺族の納得が

必要な時代なのかもしれない。

老衰で安らかに逝く、というのが最も理想的かもしれないが、

現実的には誤嚥性肺炎から衰弱して昏睡状態になって死ぬ、

というパターンが多いのではなかろうか。

 

問題は、誤嚥性肺炎の原因をどう見るか、ということだろう。

悪意をもって何かを食べさせるわけではないので、生きて

いればどうしても誤嚥は起きる。

それをゼロにしろ、というのは無理な話だろう。

 

頻繁に誤嚥するようになったということは、もう寿命が

尽きかけているのだ、ということを理解して、できるだけ

苦痛のないように日々を過ごしてもらうようにお願いする。

そういう諦めの気持ちを持つことが大事なのだと思う。