徳田虎雄が亡くなったというニュースを見た。
私が彼の名前を初めて聞いたのは、1986年、河合塾広島校の私立文系英語の
授業中だった。
その授業の講師が、授業中の雑談で、いかに徳田虎雄が偉大な医者か、を
熱弁していたのだ。しかも一度ではなく授業があるたびに雑談の時間を
とって、講談のように徳田虎雄シリーズを続けていた。
なので、授業の内容はおろか、その講師の顔や名前すら忘れてしまったが、
徳田虎雄の名前だけは今も覚えている。
大学に入学して上京してからは、徳田虎雄のことなどすっかり忘れて
いたが、たしか衆議院選挙に出たときに、そういやこの人の名前を
聞いたことがあったなぁ、と思い出した。
週刊誌などの報道を読むと、単なる立志伝中の人物ではなく、いろいろと
問題もある人であることが分かった。
そもそもなぜ河合塾の英語講師は徳田虎雄の話など持ち出したのか。
おそらく高校に入り直し2浪して医学部に入学したガッツを伝えようと
したのではなかろうか。
私立文系コースの予備校生にそんな話をしても、とは思うのだが、目標に
向かってがむしゃらにがんばる話は受けたのだろう。
いまの予備校の授業では、こういう脱線した雑談などは許されないと
思う。おおらかな時代に浪人させてもらって幸せだった。