6月12日付の朝日新聞に、角幡唯介という探検家の寄稿が

載っていた。

3月から5月までグリーンランドに探検に出かけており、

その間の情報源は日本にいる妻との電話だけという話だった。

つまり彼は新型コロナウィルスの騒動から隔離されていた

わけだ。

 

まるで浦島太郎になったような話はすごく面白かったのだが、

私が気になったのは「鬼嫁」という言葉が出てきたことである。

ここから話は脱線する。

 

 

そういえば、鬼嫁という言葉はわりと耳にするが、その反対語とは

何だろうか? 嫁に対する言葉は婿だから、鬼婿か。

グーグルで検索すると、鬼嫁は1億3000万件ヒットするが、鬼婿は

1150万件だった。ほぼ10分の1である。

 

嫁も婿も、家を中心に見て、そこに新しく入ってきた人である。

家制度は男性の家長が最も偉いことになっていたので、婿入りした

としても権力があった。

逆に女性は虐げられるのが普通だったと考えられる。

 

つまり鬼嫁とは、服従するのが当たり前の存在がそうでなくなった

現象を意味する。珍しいのでよく使われる言葉になったのだろう。

 

鬼婿は今でいうとDV夫で、これは昔から当たり前のように

いたので、言葉にすることもなかったのではなかろうか。

 

 

ただ、自分から鬼嫁という夫は、ちょっとうれしそうである。

本当に深刻な被害を受けている場合は他人には言わないだろう。

結婚というのは、このように嫁に調教されてしまうものなのだ。