*[映画]パラサイト 半地下の家族

映画館で韓国映画を見たのは「殺人の追憶」以来だと思う。
そのときの主演もソン・ガンホだった。


「パラサイト」は面白い作品だったけれど、細かいところは韓国社会で
暮らしていないと理解できないのではないか。特に笑いの部分で。
なので、私は同じテーマを扱った日本の「万引き家族」の方が好きだ。



それにしても、半地下の住居というのは韓国にはわりと多いのだろうか。
日本ではあまり見ない気がするが、そういえば「天気の子」に出てきた
主人公が居候する編集事務所も半地下で、水浸しになるのだった。
危険なので本来は行政が許可すべきではないと思う。



日本の富裕層も、かつては女中や書生を住まわせていたけれど、
今はどうなのだろう。家事代行サービスのようなプロを利用して
いるのではなかろうか。
やがてウーバーイーツのような一時的な奴隷を使うようになる
のだろう。



貧困層スマホを持つことで知的資源にアクセスできるが、根本的な
文化資本は手に入れられないのだ、ということがよく分かる作品だった。



映画では米国が憧れの先進国として皮肉っぽく描かれていた。
アカデミー賞を受賞したが、米国人はどのように見たのだろうか。
極端な格差社会なので、素直に笑えなかった人もいそうだが、
映画人は富裕層ばかりなのでそうでもなかったのかもしれない。



日本では、天井裏にしばらく住み着いていたホームレスがいた、
という話をどこかで読んだ気がするけど、ここまでの作品に
仕上げたのはポン・ジュノ監督の手腕だと思う。