- 作者: 小沢昭一,永六輔
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2007/05/01
- メディア: 文庫
- 購入: 1人 クリック: 4回
- この商品を含むブログ (9件) を見る
街のジュンク堂に行ったのだがなかった。
ネットの古本で90円プラス送料だったので迷わずポチった。
この本は昭和40年代に、前半はその当時の性風俗について、後半は戦前から
終戦あたりの売春稼業について、当事者と対談したものをまとめたものである。
対談は小沢昭一が受け持ち、同伴した永六輔が原稿にまとめて補足している。
なので、平成の終わりにこれを読むと、50年前の性風俗も古びてよく分からなく
なっているし、戦前や終戦直後の混乱期の話になると、もう別の世界の話である。
ただ、昔の人も現代の人も、同じぐらいの比率で売買春しているのだろうな、
とは思う。今は携帯デバイスがあるので、より個人的にカジュアル化している
から、あまり後ろめたさがないのが違うぐらいか。
↓
それにしても、終戦直後の街娼の話は、ほんまかいな、と疑ってしまうぐらい
すごかった。ほとんどマッドマックスの世界である。
女性の人権というのは、ごく最近になってようやく守るべきものとして意識
されたのだなぁ、と。
その街娼も、前の東京オリンピックあたりに取り締まりが厳しくなって
あまり目立たなくなったそうだが、東電OL殺人事件の被害者も街娼を
していたのだから、少なくとも1997年ごろまでは存在していたのだろう。
しかし、いまなら街角で客引きをしなくてもスマホからできるのだから、
若い女性はもう街角に立つことはないと思う。
それでも、2020年の東京オリンピックまでには、また取り締まりが厳しく
なって、性風俗も変化していくのではないか。
↓
もしかしたらコンビニのエロ本のように、表立ってはないものにされて
社会が漂白されるような気もする。
と同時に、素人と売春婦の区別があいまいになって、不特定多数の人と
セックスするのは別に普通のことになっていくかもしれない。
現実の女性が信じられなくなった弱い男性たちは、アイドルや二次元に
貞操を求めるようになり、裏切られ傷つくのだ。いや二次元キャラには
傷つけられないけれども。
↓
2000年代の性風俗をまとめた対談本を誰か作らないものだろうか。
テレビでは「トゥナイト」で山本監督がそれをやっていたが、今は
誰もやってない気がする。