ニュージーランドで起きた痛ましい銃撃事件の犯人は豪州の

白人至上主義者らしい。

米国や豪州のように、先住民を虐殺してできた国は、そのような

レイシストが生まれやすいのかもしれない。

 

しかし、なぜ白人至上主義はあっても、黒人至上主義や黄色人

至上主義というのはないのだろうか。

(いや、黒人至上主義的なものは米国にあるのだが、それは白人

至上主義がなければ成立しなかっただろう。アフリカにその

ようなものがあるのかは知らない)

 

白人至上主義者は、近代文明を作ったのは白人だから偉い、

と考えているのだろう。

それは、誰かが偉業を達成しても、その人と同じ国のみんなが

偉いわけではないのと同じぐらい間違っている。

 

だが、白人といっても一枚岩ではない。

アイルランド系やポーランド系をバカにすることはよくあるし、

ユダヤ系は差別されている。

なので、正確には“アングロサクソンキリスト教徒至上主義”

とでも言うべきではなかろうか。

 

 

黄色人種至上主義というのがないのは、モンゴロイドが身体的な

劣等感を抱かされているからだろう。

背が低く手足が短いのは醜い、という刷り込みをされているので、

堂々と黄色人種ってすばらしい、と言えないのではなかろうか。

 

もうひとつは、米国や豪州のように歴史が浅い国とは違って、

それぞれの民族ごとに至上主義があるからだと思う。

中国には中華思想が、日本には国粋主義があって、人種的な

連帯というのは考えにくい。これは上述のとおり実は白人も

そうなのだろうけど。

 

 

しかし考えてみれば、白人が生み出したとされる近代こそが、

そのような人種的・宗教的な差別を否定していくものでは

なかろうか。

彼らは自分たちこそが近代文明をつくったと言いながら、

その近代文明を後退させる行いをしているのである。

 

メディアは、ぼんやりした白人至上主義者という言葉を使う

のは控えて、狂信的キリスト教徒と言うべきだと思う。