職業としてのAV女優

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

私のアダルトビデオ歴は、村西とおる監督が活躍していた時期と重なる。
レンタルのVHSビデオを借りてきて、途中を早送りして見たものだ。
お気に入りは氷高小夜というAV女優で、彼女の出演作品の9割は見たと
思う。


現在、私はレンタルDVD店にほとんど行かないし、アダルトDVDも物色
しない。何年か前にふらっとアダルトDVDショップに入ったときに、あ
まりにも種類が多すぎて、どれを選んだらいいのかさっぱり分からなく
なった。


本書に書かれているのは、アダルトビデオのコモディティ化である。
質がある程度高く廉価なプロダクツを大量に供給するようになった
ので、生産現場の単価は下がってしまった。
そういう女工哀史的な実態が描かれている。


なので、よほど容姿に自信があるか、元アイドルでもない限り、高給
は望めない。しかも撮影された画像はネット上に永遠に残る。
こんなリスクがあるにもかかわらず、AV女優になりたいという女性は
多いのだという。


もっとも私は、ネットで拾ってきたエロ動画を見ても、その人の顔を
憶えていることはほとんどない。
もともと人の顔を憶えるのが苦手なせいもあるが、よほどお気に入りで
ないと忘れてしまうものだ。
だから、意外とバレないのかもしれない。
(ただ、一度疑惑が立つとあっという間に証拠が集まってくるのだが)


私が気になるのは、AV嬢の老後である。
トップクラスでも数年で飽きられてしまう世界なので、BクラスやCクラス
の人は早々と引退するか風俗嬢になるらしい。


風俗嬢もいつまでも続けられるわけはないので、街娼やホームレスに
転落する人も多いだろう。
横浜に老婆の立ちんぼがいる、という噂を聞いたことがあるけれど、
そういう人がどんどん増えるのかもしれない。


もちろん、しれっと結婚する人もいるだろうし、別の職業に転職して
生活を安定させる人もいるだろう。だが、そういうクレバーな選択が
できるAV嬢は少数派だと思う。


私がVHSビデオで借りていた時代のAV女優が現在どうなっているか、
ぜひ知りたいものである。