*[本]神去なあなあ日常

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

神去なあなあ日常 (徳間文庫)

なぜかいま三浦しをんブームが自分の中にきていて、ブックオフで108円で
売っているのを買い込んでいる。新刊でなくて申し訳ない。


この「神去なあなあ日常」と続編の「神去なあなあ夜話」は都会から来た
若者が林業を通して山の魅力や恐ろしさを体感する物語である。
矢口史靖監督が映画化しているが見ていない。


どちらも一人称で書かれているが、本編の「神去なあなあ日常」の方は
まだこなれてなくて、取材した作者がチラチラと背後に見え隠れして
いる。
ところが、続編の「神去なあなあ夜話」になると、いかにも高卒の若者が
書いた文章になっていて、しかもちゃんと面白い。
井上ひさしの「むずかしいことをやさしく、やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、おもしろいことをまじめに、まじめなことを
ゆかいに、そしてゆかいなことはあくまでゆかいに」という言葉があるが、
それをやっていると思う。

実は、というほどではないと思うが、三浦しをんの小説はわりと映画化や
アニメ化されている。
司馬遼太郎松本清張には及ぶべくもないだろうが、現役の作家だと
東野圭吾宮部みゆきの次ぐらいではなかろうか。


こういうのを誰か調べてくれないものか。
寡作の人だと、作品のほとんどが映像化されていることもあるだろうし、
赤川次郎みたいな人だと打率が低いのかもしれない。逆に西村京太郎は
すごいのか。

あと、実写化とアニメ化の両方の率が高いのが、実は三浦しをんではないかと
密かに睨んでいる。
森見登美彦はアニメ化されることが多いが実写化は少なく、万城目学はその逆、
みたいなことが調べたら分かるだろう。