Boaz2015-06-10

アニメ「俺物語!!」を見ていて思ったのだが、最近の少女マンガはカップルが成立する
までを描くのではなく、成立してからの話を描く方が盛り上がるのかもしれない。
君に届け」もそうだし。


ということは、読者の感覚では、彼氏は普通にできるのだが、長続きしないという悩み
があって、それをマンガでフォローするという感じなのかも。
あるいは、モテ/非モテが露骨になっており、非モテの少女たちはそもそもストレートな
少女マンガには行かず、腐女子になってしまうのかもしれない。



それはともかく、「俺物語!!」では相思相愛の二人を中心に物語を作らなければならない
から、カラオケ店が火事になったり、親友の父親が心臓の手術をしたりと、ピンチを設定
するのに苦労しているようだ。


説得力のあるピンチを作れる人は、物語を作るのが巧い人だと思うが、「俺物語!!」の人は
ちょっと厳しい。いや、面白い作品なんだけど、強引な展開が多いかな、と。


その点、「君に届け」の場合は、大学進学で二人は離ればなれになるのか、という現実的な
ピンチを用意しており、そのあたりはさすがである。



少年マンガや少年向けのラノベなどは、まだそういう段階ではなく、あの娘もこの娘も
みんな大好き、というハーレムタイプの物語が主流のような気がする。


最初からカップルが成立している少年マンガの嚆矢は何だろうか? 
私の世代だと、柳沢きみおの「月とスッポン」とか三浦みつるの「The かぼちゃワイン
だろうか。男性の側が気持ちをはっきり伝えていないという意味では、両思いではない
のだが。


その流れで言えば、河合克敏の「帯をギュッとね!」は、完全にカップルとして成立して
おり、読んでいて珍しいなと思った記憶がある。



思春期は女子の方が精神的に大人だから、マンガもそれを反映しているのだろう。


あるいは、思春期の男子の関心は性的なことがほとんどだから、付き合ってからの
面倒くさいあれこれは、読者も興味がないのかもしれない。