Boaz2015-04-02

アメトーーク!」の特番をなんとなく見ていた。
中盤に、パクリたい芸人というコーナーがあって、番組のオーディションを
勝ち抜いた芸人のネタを、ザキヤマフジモンがアレンジして披露していた。


そのネタの多くが、身体を痙攣的に動かしながら、よくわからない言葉を
反復させるものだった。
仮にこれをリズム芸と名付けようと思う。



リズム芸は最近のものなのか、昔からあるものなのか、よく分からない。
それこそ、エノケンやロッパの時代から、唄って踊りながら笑いをとる芸は
あったわけだし、クレイジー・キャッツの音楽芸やドリフターズのヒゲダンス
なんかも、その系譜に連なるのかもしれない。


ただ、私の印象としては、過去の音楽に合わせた笑いは、どちらかというと
メロディが主だったような気がするのに対し、現在のものはリズムが主で
あるように見える。


もしかしたら、それはラップ音楽の発展と軌を一にしているのかもしれない。
ラップ音楽発祥の地である米国で、リズム芸のようなものがあるのかどうかは
知らないのだが、日本ではラップがむしろ笑いの方で花開いた印象がある。



その第一世代が、藤崎マーケットオリエンタルラジオかもしれないし、
もしくは「ガキの使い」で披露された遠藤章造のホホホイなのかもしれない。


いずれにせよ、2000年代になって芸人の一発ネタとして定着したのではないか。


そのリズム芸の全盛期に、敢えてリズムではなくメロディで勝負したのが、
くまむしの「あったかいんだから」ではないかと。



ただ、リズム芸はすぐに飽きられてしまう。
一発屋で終わりたくなければ、トークで生き残るしかない。


はたして、今日出演したリズム芸の芸人のなかで、5年後もテレビに登場して
いる人はどのくらいいるのか。
厳しい世界である。