- 作者: 樋口毅宏
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- 発売日: 2013/07/13
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作者が書いているとおり、これを読むくらいなら小林信彦の「日本の
喜劇人」を読むべきである。
- 作者: 小林信彦
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とも思う。
↓
タモリ論では、やたらと「パクリの元ネタ」について書いてあった。
私もかつていろいろ指摘したことがあるので分かるのだが、これは
“俺はこんだけ知ってんだぜ自慢”である。
それも徹底すれば芸になるのだが、ほとんどは中途半端な知識を
ひけらかすにとどまっている。
あるいは、勝手にそう思い込んでいる的外れだ。
20代ならまだしも、40代でやっているのは恥ずかしいと思う。
そもそも、あれは◯◯のパクリだ、と言えるのは素人である。
プロがうかつに喋ったら、いつ自分にかえってくるか分からない。
言うだけ野暮なのだ。
↓
私が「タモリ倶楽部」の面白さに気がついたのは、30代後半からだった。
それまでは、お尻鑑定の企画や空耳アワーに食いついていただけだ。
自分の趣味である鉄道や地形を番組にして、よく長寿番組になっている
ものだ、と感心した。
そのベースになっているのは、タモリのインテリジェンスである。
しかも、分かる人に分かればいい、という割り切りが長続きの要因では
ないか、と私は勝手に思っている。
脱線するが、同じ映画監督になっても、北野武が世界的な評価を得て、
松本人志が得られないのは、インテリジェンスの有無である。
そしてタモリの教養は文系で、たけしの教養は理系である。
だからどうしたと言われても困るが。
↓
それにしても、タモリ、たけし、さんま、ダウンタウン、とんねるず、
ナインティナインと、テレビでメインMCをしている芸人は25年ぐらい
変わっていない。
画期的なネタをひっさげた20代の芸人が現れてもおかしくないのだが、
おそらく若手のうちに潰されているのだろう。
日本の笑いも、イノベーションが停滞していたのである。
そのかわり、一発屋芸人だけが次々に登場しては消えていく。
この傾向は、M-1グランプリがなくなって以降、ますます顕著になって
いったと思う。
短期的な利益だけを追求して、長期的な仕事はコストと見なして放棄
する、というのは企業だけでなく芸人の世界でも起こっていること
なのである。