アニメ「キャプテンアース」の最終回をさっき見終わった。
なんだろう、このもどかしい感じは。
失敗作と断定するには惜しいのだが、ひとに「これ超おもしろいよ」と
薦められるわけでもない。
同じBONESが製作した「エウレカセブン」と同じテイストである。
あるいは「亡念のザムド」のような感じか。
何がいけなかったのか、自分なりに考えてみると、設定が物語を追い越して
いるのではないか、と。
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おそらく製作側は、最近の視聴者の傾向として、マメにネットで情報を
チェックして、本編からこぼれてしまった設定などを把握している、と
思っているのではないか。
私はアニメを見るときは、公式サイトも開かず、基本的には見たままの
情報だけで判断する。
なので、細かい設定があったとしても、作中で私でも分かるように説明
されていなければ、何が起こったのか理解できない。
この分かりにくさが、視聴者をふるい落としてしまったような気がする。
逆に、エヴァンゲリオンがなぜ成功したかといえば、設定を知らなくても
物語が面白かったからとも言えるし、設定で人間のエグい部分をこすって
いたからとも言える。
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以下は「ぼくのかんがえたキャプテンアース」になってしまう。
チラシの裏に書けばいいことなので、読まなくてかまわない。
最初から引っかかっていたのは、遊星歯車装置が、なぜ地球人を敵視する
のか、ということだ。
延々と思想を語る悪役もウザいのだけれど、ただ腹が減ってるから地球を
襲いに来た、というのもどうなのか。
地球人からエネルギーを吸い取りたいのなら、絶滅させるよりも繁殖させ
た方がいいと思うが、どうも彼らは宇宙規模で焼畑農業をやっているよう
である。
そして、見下している地球人の姿のアバターなのも分からない。
まあ、この部分はキャラクターなので人間でないものを描いてもしょうが
ないのだけれど、悪役としては食い足りなかった。
悪役といえば、方舟派と迎撃派の対立とか、人工知能のシンギュラリティ
(技術的特異点)の突破とかあったわけだが、主人公たちが何と戦って
いるのか散漫になってしまい、物語の焦点がボケた。
2クールあったので話を盛り込みたかったのだろうが、悪役を整理した方が
よかったような気がする。
主人公たちでいえば、夜祭アカリのキャラクターが難しかったのではないか。
彼女だけライブラスターを持っていない代わりに、ハッキング技術でサポート
する、という役割だが、なんだか仲間はずれみたいで一体感に欠けた。
というのはこじつけかもしれないが、どうも私は彼女が引っかかっている。
あと、キャプテンのすごさというのも、実はあまり伝わらなかった。
なぜ彼が主人公にふさわしいのか、終盤にならないと表現できなかった
ように見えた。
……このままずっと悪口を書いていきそうなので、このへんでやめよう。
もっと面白くなるアニメだったのになぁ、という愚痴である。