Boaz2014-09-21

アニメ「キャプテンアース」の最終回をさっき見終わった。
なんだろう、このもどかしい感じは。


失敗作と断定するには惜しいのだが、ひとに「これ超おもしろいよ」と
薦められるわけでもない。
同じBONESが製作した「エウレカセブン」と同じテイストである。
あるいは「亡念のザムド」のような感じか。


何がいけなかったのか、自分なりに考えてみると、設定が物語を追い越して
いるのではないか、と。



おそらく製作側は、最近の視聴者の傾向として、マメにネットで情報を
チェックして、本編からこぼれてしまった設定などを把握している、と
思っているのではないか。


私はアニメを見るときは、公式サイトも開かず、基本的には見たままの
情報だけで判断する。
なので、細かい設定があったとしても、作中で私でも分かるように説明
されていなければ、何が起こったのか理解できない。


この分かりにくさが、視聴者をふるい落としてしまったような気がする。


逆に、エヴァンゲリオンがなぜ成功したかといえば、設定を知らなくても
物語が面白かったからとも言えるし、設定で人間のエグい部分をこすって
いたからとも言える。



以下は「ぼくのかんがえたキャプテンアース」になってしまう。
チラシの裏に書けばいいことなので、読まなくてかまわない。


最初から引っかかっていたのは、遊星歯車装置が、なぜ地球人を敵視する
のか、ということだ。


延々と思想を語る悪役もウザいのだけれど、ただ腹が減ってるから地球を
襲いに来た、というのもどうなのか。


地球人からエネルギーを吸い取りたいのなら、絶滅させるよりも繁殖させ
た方がいいと思うが、どうも彼らは宇宙規模で焼畑農業をやっているよう
である。


そして、見下している地球人の姿のアバターなのも分からない。
まあ、この部分はキャラクターなので人間でないものを描いてもしょうが
ないのだけれど、悪役としては食い足りなかった。


悪役といえば、方舟派と迎撃派の対立とか、人工知能のシンギュラリティ
(技術的特異点)の突破とかあったわけだが、主人公たちが何と戦って
いるのか散漫になってしまい、物語の焦点がボケた。
2クールあったので話を盛り込みたかったのだろうが、悪役を整理した方が
よかったような気がする。


主人公たちでいえば、夜祭アカリのキャラクターが難しかったのではないか。
彼女だけライブラスターを持っていない代わりに、ハッキング技術でサポート
する、という役割だが、なんだか仲間はずれみたいで一体感に欠けた。
というのはこじつけかもしれないが、どうも私は彼女が引っかかっている。


あと、キャプテンのすごさというのも、実はあまり伝わらなかった。
なぜ彼が主人公にふさわしいのか、終盤にならないと表現できなかった
ように見えた。


……このままずっと悪口を書いていきそうなので、このへんでやめよう。
もっと面白くなるアニメだったのになぁ、という愚痴である。