*[映画]海獣の子供

昨日、映画「海獣の子供」を見てきた。
公開3日目の日曜日のレイトショーで観客は10人ぐらい。カップルが多かった。
原作のマンガは未読で、CMを見ただけの予備知識がほぼない状態で鑑賞した。


大変美しい映像で、アニメーション的な技法では最高の水準ではないかと
思った。イワシの群れのCGはどうやって作ったんだろう。


ただし、映画の内容については、個人的にはまったく評価できなかった。
中盤で長髪の海洋学者やアボリジニとおぼしき老婆が登場するあたりから
おいてけぼりになってしまい、なんだか分からないうちに終わってしまった。


厳しいことを言えば、思想的には底の浅いニューエイジサイエンスでしか
なくて、イルカとかクジラを神聖視する人の話は眉唾ものだと思っている。


物語もわりとアラが多くて、海辺のキャンプで海が発熱して苦しんでいる
のに、琉花は空と平気で沖まで行ってしまうし、クライマックスで琉花は
海が隕石のかけらを飲み込もうとするのを止めたのに、最後は飲ませている。


琉花の母親が飲んだくれている理由も説明がないし、そもそもジュゴン
育てられた子供というのもなかなかハードルが高い設定だ。


というわけで、深夜アニメオタクにとってはつまらない作品ではあったが、
ロハスとかの意識高い系の人にとっては、美しい映像と地球と一体になった
気がする物語が心地よく感じるだろう。