Boaz2014-07-25

中国のずさんな加工肉の実態が暴露された事件。
実際には食中毒などの被害者が出ていないはずだが、反響は大きい。


普通の人は、食べ物を自分で育ててさばかない以上、どこかの範囲で
食べ物を提供する相手を信用するしかない。
それに、安定供給される大量生産品を全否定することは、今の社会では
難しい。


かといって、腐りかけのものを知らずに食べさせられるのも嫌だ。
厨房の裏側が見えないので、疑心暗鬼になれば外食はおろかスーパーの
お惣菜でさえ食べることができないだろう。



美味しんぼ」的なフード左翼は、連載が開始されてしばらくは支持された
が、現在は批判的な声も多い。
(じゃあ、フード右翼って何よ? と問われれば、ファストフードやカロリー
メイトがあれば十分という立場の人かな、と思うが、どうなんだろう)


そのフード左翼風に言えば、食べ物の商圏はなるべく小さいほうがいい、と
いうことになろうか。
顔見知りとか常連さんとか、売手と買手がお互いに認識できるような範囲の
商売だと、相手に下手なものは出せないはずである。


グローバル化というのは、全く知らない人に向けて食べ物を提供することで
あり、モラルが低下したらひどいものでも製品にするし、下手をしたら毒を
入れることもある。たしかアクリフーズ農薬混入事件というのが最近あった
はずだ。



もうひとつは、消費者が味に敏感になることである。
といっても、みんながみんな海原雄山のようなグルメ舌にはなれないし、
「誰が作ったあ!」と厨房に怒鳴りこむ人が相次いだら商売にならない。


グローバル化した食品産業は、消費者がどのくらい鈍感なのかを熟知して
いるから、安価なものが作れるとも言える。


結局、安いものをいつでも食べられるだけ幸せなのかもしれない。