健啖家

私は痩せている。自慢ではない。
胃が小さいのか、量を食べられないから太れないのだ。


今日の「ダウンタウンDX」にプロレスラーの高田延彦が出演していた。
新日本プロレスに入門したときは63kgしかなく、とにかく食べて108kgまで増やしたそうだ。
尋常な食事の量ではなかったと思う。
私なら食べたものが全部出てしまい、確実に消化器をやられて入院するだろう。


角田信朗は、格闘家の強さは内臓の強さでもある、と言っていた。
食べたものを確実に自分の血肉にする内蔵がないと、戦える体格にはならないらしい。


太りやすい体質かそうでないかは別として、私は丈夫な胃腸を持った人がうらやましい。
できれば健啖家になりたかった。


ホンジャマカの石塚は、どんなにものを食べて満腹になっても、数時間後には腹が減るのだ
そうだ。強靭な消化器があるのだろう。
逆に、グルメレポーターの彦摩呂は、満腹感が麻痺してしまい、空腹であろうとなかろうと
食事をすることができるようになったとか。これはちょっと嫌な話だ。


2000年に放送されたドラマ「フードファイト」は、タイガーマスクの設定をそのままに、プ
ロレスを大食いに変えた内容だった。
主演の草磲剛は、ちっとも大食いには見えなかったのだが、「俺の胃袋は宇宙だ」というセ
リフとともに食べまくり、挑戦者を倒していたっけ。


このドラマを見ているときには気がつかなかったのだが、フードファイトはもう大量にものを
食べられなくなった老人たちの前で行われていた。
他人が食べているのを見て楽しむ、という行為は、不能になった人がポルノを見るようなこ
となのかもしれない。


実際、私も目の前でどんどん食べる人を見るのは好きだ。
テレビ東京の大食い番組もついつい見てしまう。
相撲取りに飯を食わせるのも、ふつうの人が食べきれない量のものをぺろりと平らげるのを
見たいからだろう。


古代ローマでは、食べて満腹になった人が、鳥の羽で喉をつついて全部吐き出し、また食べ
始めたという。
今でいう過食症か。
食欲のコントロールが効かなくなった病気である。


過食症になるのは嫌だが、たとえばラーメン二郎の全増しを完食するとかはしてみたい。
昔は西荻にある「キャロット」というステーキ屋で、ステーキとハンバーグとチキンソテー
がセットになった定食をがっつり食べていたものだ。
今でも食べられることは食べられるだろうが、後が苦しくなるのだ。
下手したら、腹が減るのは24時間後ぐらいになるし。


そういや「ダウンタウンDX」には元モー娘。辻ちゃんも出演しており、デビュー時は30kg
台だったのが、全盛期には60kg台までいった、という話をしていた。
8段重ねのソフトクリームとかを食べていたからだそうだが、自分の体重が倍になるというのは
どういう感覚なんだろう? 


つくづく健啖家がうらやましいのである。


本文と写真はまったく関係ありません

( ´酈`)<最近はアンコをすすってるのれす