ポンドとグラム

もし、本当にグローバル化するとき、世界基準に従うのなら、英米で使われているヤード・ポンドの
度量衡はメートルに変更しなければならないはずである、という話をどこかで読んだ。


なるほど、たしかにそうだ。
単位はなるべく統一した方が無駄がないし、生産効率も上がるだろう。
なぜ、英米は速やかにメートル法にしないのか不思議だ。


言ってみれば、度量衡は感覚の問題である。
ある文化圏の単位は、外部からみると奇妙なものだが、いちど感覚にフィットすると何の違和感もな
くなる。


ちょうど言語と同じで、二つの度量衡の感覚を自在に切り替えるのは、特殊な訓練を受けた人でない
と難しいだろう。
しかも、言語と違って、違う文化圏の度量衡を“同時通訳”する必要もあまりない。誰でも電卓があ
ればできるし、慣れたら暗算でだいたいの感覚が分かる。
海外旅行で通貨を計算するのと一緒だ。


なので、理想としては世界が同じ度量衡を使うことが望ましいけれど、あらゆるものごとがメートル
法で測られることはあるまい。
日本でも、米の単位は一升瓶などに残っているし、それをなくすべきではないと思う。


映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でも、デロリアンが加速してタイムマシーンになるのは、
時速88マイルである。
これをメートル法に換算して、時速140.8キロとすると、88というゾロ目の数字の面白さが失われて
しまう。
ここは感覚として、時速88マイルでなければならないのだ。


そういうわけで、やたらとグローバルスタンダードをいう人には、ちょっと疑いの目を持った方が
いいかもしれないよ、という話。


本文と写真はまったく関係ありません

川*^∇^)||<私の身長を1クマイと定めます