こないだ新聞に滝田姫子という若いトロンボーン奏者が紹介されていて、
松山市出身と書いてあり、もしやと思ってググッたら同じ高校だった。
京都市立芸術大学大学院在学中にプロのオーケストラに入団できたとの
こと。すごい。
実は私は高校の時ちょっとだけ吹奏楽部にいたことがあり、ひとつ上の
先輩が後にNHK交響楽団に入団している。
当時から群を抜いて上手かったけれど、東京学芸大学に進学したから、
てっきり音楽の先生になるのかと思っていた。
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私がいた高校は吹奏楽コンクールで特に優秀な成績を連発しているわけ
でもなく、全国大会はおろか四国大会もそんなに出場できていない。
それでもプロの演奏家を少なくとも2人輩出している。
もちろん、これは個人の努力によるもので、学校の部活が何かしたと
いうことはない。
それでも、吹奏楽コンクールでいつも全国大会に出るような学校の子が
後にどのくらいプロになっているのかは、ちょっと知りたいところだ。
愛媛県でいうと、県立伊予高等学校が何度も全国大会に出る強豪校だ。
卒業生の進路を見ると、毎年国立音楽大学に1名進学している。
推薦枠があるのかもしれない。
が、それ以外で音楽系の大学に進学している生徒は見当たらない。
別に音楽大学でなければプロになれないわけではないが、おそらく
大半の吹奏楽部の子は高校卒業時点で楽器から離れているのでは
ないだろうか。
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これを野球に例えると、甲子園に何度も出場している学校の野球部から
ほとんどプロ野球選手が出ず、進学しても野球はやらない、という感じ
だろうか。
私は悪意があって伊予高校を持ちだしたわけではない。
悪意の矛先は吹奏楽コンクールに向けられている。
吹奏楽コンクールの理念として、多くの人に吹奏楽の素晴らしさを伝え、
生涯ずっと楽器を友とする人を増やすことが挙げられるだろう。
だが、実際は吹奏楽コンクールで燃え尽きてしまう子が多い。
たぶん猛練習で音楽が嫌いになったのではなかろうか。
それでは何のために吹奏楽コンクールがあるのか、よく分からない。
世界中で、こんな苦行のようなことを若者に課しているところは他に
あるのだろうか。
日本は学生に全国一を競わせすぎだと思う。