Boaz2014-06-01

こないだ新聞に滝田姫子という若いトロンボーン奏者が紹介されていて、
松山市出身と書いてあり、もしやと思ってググッたら同じ高校だった。
京都市立芸術大学大学院在学中にプロのオーケストラに入団できたとの
こと。すごい。


実は私は高校の時ちょっとだけ吹奏楽部にいたことがあり、ひとつ上の
先輩が後にNHK交響楽団に入団している。
当時から群を抜いて上手かったけれど、東京学芸大学に進学したから、
てっきり音楽の先生になるのかと思っていた。



私がいた高校は吹奏楽コンクールで特に優秀な成績を連発しているわけ
でもなく、全国大会はおろか四国大会もそんなに出場できていない。
それでもプロの演奏家を少なくとも2人輩出している。


もちろん、これは個人の努力によるもので、学校の部活が何かしたと
いうことはない。
それでも、吹奏楽コンクールでいつも全国大会に出るような学校の子が
後にどのくらいプロになっているのかは、ちょっと知りたいところだ。


愛媛県でいうと、県立伊予高等学校が何度も全国大会に出る強豪校だ。
卒業生の進路を見ると、毎年国立音楽大学に1名進学している。
推薦枠があるのかもしれない。


が、それ以外で音楽系の大学に進学している生徒は見当たらない。
別に音楽大学でなければプロになれないわけではないが、おそらく
大半の吹奏楽部の子は高校卒業時点で楽器から離れているのでは
ないだろうか。



これを野球に例えると、甲子園に何度も出場している学校の野球部から
ほとんどプロ野球選手が出ず、進学しても野球はやらない、という感じ
だろうか。


私は悪意があって伊予高校を持ちだしたわけではない。
悪意の矛先は吹奏楽コンクールに向けられている。


吹奏楽コンクールの理念として、多くの人に吹奏楽の素晴らしさを伝え、
生涯ずっと楽器を友とする人を増やすことが挙げられるだろう。


だが、実際は吹奏楽コンクールで燃え尽きてしまう子が多い。
たぶん猛練習で音楽が嫌いになったのではなかろうか。
それでは何のために吹奏楽コンクールがあるのか、よく分からない。


世界中で、こんな苦行のようなことを若者に課しているところは他に
あるのだろうか。
日本は学生に全国一を競わせすぎだと思う。