4月1日付けの読売新聞のコラム「編集手帳」で、よく分からない話が
書いてあった。
入社して初めて上司に叱責された場所は居酒屋である。初任地の地方都市に
赴任した夜、支局長がごちそうしてくれた。好きな物を飲め、食え、と気前がいい。
若いから、ほろ酔い加減になっても腹がすく。お言葉に甘えて丼物を頼んだ
ところ、「ばかやろう!」とカミナリが落ちた。「飯は自分の銭で食うもんだ」。
飯も酒も同じコメ仲間なのにむずかしいものだな…と、注文を取り消したのを
覚えている。
学校では教えてくれないルールが世間にはある。きょう社会に巣立つ人たちも、
戸惑いながら職場になじんでいくのだろう。
このあとも説教臭い言葉が続くのだが省略する。
私が読んでいて驚いたのは、居酒屋で上司におごってもらうとき、丼物を
頼んではいけない、というルールだった。
会社の上役と酒を飲んだことはあるが、酒に弱いので腹がへるより前に
気持ち悪くなってしまう。なので、ご飯ものを頼んだことがほとんど
ないのだが、頼んだとしても叱られた記憶がない。
申し訳ないが、読売新聞の社内ルールなのだろうか。
それとも団塊の世代あたりには共通することなのか。
もし私が同じように叱責されたら、この上司はバカではないのか、と
思うだろう。
だから会社勤めが長続きしないのだが、本当に意味が分からないし、
私が部下に同じようなことをされても全くかまわない。
このコラムを書いたオッサンは、上司におごられるときは丼物を頼む
べからず、というルールを金科玉条として、下の者にも偉そうに教え
てきたのだろう。
叱責されたとき、理不尽だな、と思ってもそれを飲み込んだわけである。
それは上の者の言うことを鵜呑みにして思考停止することではなかろうか。
読売新聞に入社できるぐらいだから、さぞ優秀な学生だったのだろう。
それを寄ってたかって阿呆にしていくのが、会社という組織である。
↓
新入社員がいちいち上司に楯突いていたら会社勤めができない。
まずは、理不尽を飲み込むべし。
しかし、同じことを下の者に強いてはいけない。
無職のオッサンがフレッシュマンに贈るメッセージである。