Boaz2013-09-19

リニアモーターカーの話題を読んだ。
東京と名古屋を最短40分で走るという。
現在、新幹線のぞみだと1時間40分ぐらいで到着するから、5分の2に
短縮されるわけだ。


時間の短縮は、もとの数が大きいほど良いが、小さくなるほど無意味に
なる、と思う。
10時間かかったものが1時間になるのは、たいていの人が喜ぶ。
1分かかったものが6秒になるのはどうだろうか(ダウンロードだったら
喜ぶかも)。


同じ10分の1の割合で短縮されても、微小になるほどメリットが少なく
なることには同意してくれるはずだ。
少なくとも現実の移動に関しては。



東京と名古屋の移動が、100分から40分になることで、それほど快適さ
が増えるだろうか? 1分でも早く現地に到着したいというビジネス
マンがどのくらいいるのか疑問だ。


たとえば、大嫌いな奴と40分いっしょにいるのと、大好きな人と100分
いっしょにいるのでは、ほとんどの人が後者を選ぶと思う。


この方向で発想すれば、リニアにお金をかける分を新幹線の車両に
まわすべきである。
全車両をグリーン座席にするお金は、リニア建設のお金に比べると
笑ってしまうほど少ないだろう。


速さではなく快適さにシフトした車両を製造した方が、お客さんに
とっては嬉しいと思うがどうだろうか。



むろん、JR東海は、リニアの車両の方が快適だ、と言うだろう。
8割がトンネルなのだから、車内を魅力的にするしかないからだ。
が、おそらく最初のブームが去ったあとで利用するビジネスマン
たちは、40分を仮眠にあてるだろう。


いっそ、フルフラットシートにすればいいと思うが、そんなオッサン
たちを荷物のように運ぶ鉄道って、なんだか侘しい。