Boaz2013-05-31

先日読んだ「鉄道と国家」という本の最後の方に、新幹線の輸出の
話が書いてあった。


これまでに、韓国、台湾、中国の新幹線に応札して、台湾で受注に
成功した。中国は車両の一部が取り入れられたが、しばらくして
中国独自の技術で作った、と盗用された。


その後、中国で高速鉄道事故が起こり、新幹線は車両だけではなく、
精緻なシステムがないと安全に運行できないことが分かった。
だが、日本のシステムごと受注した例はない。



日本も、古くは中国の文明を持ち込み、明治時代には欧米の技術を
取り入れた。
それでも、和魂洋才という言葉のとおり、背後にある思想やシステム
が定着することはなかった。


たぶん、それはどこの国でも同じことで、臓器移植をして拒否反応が
起きるようなものであろう。



一方、米国は移民の国で、古くからのしがらみがないので、一種の
実験ができたと言えよう。


そこで最も発達したのは、バカでも使えるマニュアル作りだと思う。


日本の商売に欠けているのは、これではなかろうか。
なまじ、器用だから何でも日本化できてしまうがゆえに、それを
説明することが苦手である。


もし世界の市場に進出したいのなら、米国のマニュアル作りを
身につけないといかんのではないか、と思う。