99・9%が誤用の抗生物質 医者も知らないホントの話 (光文社新書)
- 作者: 岩田健太郎
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2013/08/09
- メディア: 新書
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かつ医学的なレベルは落とさずに書いている良書だった。
親が通院しており、結果的に高齢者のポリファーマシー(多薬剤処方)
の典型例になっている。
また、自分が風邪をひいて病院に行ったときも、何の疑いもなく処方
された抗生物質を飲んでいた。
しかし、この本を片手に、医者に向かって間違っているとは言えない。
私たちはそういう弱い立場でもある。
もっと感染症の専門医が増えてくれたらいいのだが、その道程は険し
そうだ。
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この本を読んで思ったのは、製薬会社とMRの闇である。
民間企業なので、薬が売れれば売れるほどよく、儲からない薬からは
撤退する。
そういう組織に人間の健康を託してもいいのだろうか?
抗生物質は新型が出るたびに耐性菌が現れ、ファイザーやロシュなど
大手製薬会社は抗生物質の開発をやめてしまった。
薬を作るコストと効き目(と売り上げ)が逆転したのだ。
しかし抗生物質は無くなっていい薬品ではない。
正しく使えば患者の福音になる。
そのためにも開発をやめてはいけないはずだ。
ということは、民間に任せず、政府あるいはWHOのような国際機関が
研究開発すべきだろう。
たとえ儲からない薬でも存在意義のあるものは作る、というのが
人間の叡智ではなかろうか。
↓
ドラマ「半沢直樹」の製薬会社版を作ったら面白いかもしれないが、
ヒットするかどうかは微妙だ。
が、私はあのドラマを見て、銀行はエグい商売をしてるなぁ、と
しみじみ感じた。
同様に、製薬会社の下衆い商売も赤裸々に描いたらどうか、と思う。