秋田書店の女性マンガ誌で、懸賞にインチキがあったという。
そんなにお金がなかったのか、と驚いている。
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K談社では、懸賞の抽選は専門の部署がやっていて、そこが選んだ
ハガキが各編集部に降りてくる。
なので、編集部だけでは不正のしようがない。
少なくとも20年前はそうだった。
雑誌の懸賞発表は、新人の仕事だった。
1ページか2ページを自分でレイアウトして、商品名と当選者名を
ひたすら書いて写植にしてもらい、出来上がったものをチェック
するのである。
その作業をして分かったのは、日本人の名前で漢字7文字以上の人は
ほとんどない、ということだった。
上下同じ枠内に当選した人の名前を入れなければならないので、その
大きさは最大の文字数に合わせる。
それが、だいたい6文字で、稀に7文字あった。
親も考えてつけるのだろう。
長い苗字の人の名前は、たいてい短かった。
寿限無みたいな人はいなかったので安心した。
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何年かすると、懸賞の商品を選ぶのを任されるようになる。
これも、大手だと編集プロダクションに丸投げするところもあるが、
たいてい下から3番目ぐらいの編集者が担当する仕事である。
いまは、たいていのものが手に入るので、何らかの付加価値をつけ
なければ誰も懸賞に応募してくれない。
かといって、あまりお金もかけられない。
そのあたりが面倒くさくなったのが、秋田書店なのだと思う。
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21世紀、スマホが普及している時代に、わざわざアンケートを書いて
ハガキで送ってもらう作業が必要なのか、という疑問もあるのだが、
そういう手間をかけてくれる読者を信用したい、という編集者の願望
があるのだろう。
そこに、妙なバイアスがかかっている可能性もあるので、いまは
ハガキだけではない方法で読者の声を集めているのだと思う。
社会が豊かになっても、人は景品を用意しないとアンケートに答えて
くれないのかどうか、統計学の先生にでも確かめてもらいたい。