Boaz2013-08-21

秋田書店の女性マンガ誌で、懸賞にインチキがあったという。
そんなにお金がなかったのか、と驚いている。


K談社では、懸賞の抽選は専門の部署がやっていて、そこが選んだ
ハガキが各編集部に降りてくる。
なので、編集部だけでは不正のしようがない。
少なくとも20年前はそうだった。


雑誌の懸賞発表は、新人の仕事だった。
1ページか2ページを自分でレイアウトして、商品名と当選者名を
ひたすら書いて写植にしてもらい、出来上がったものをチェック
するのである。


その作業をして分かったのは、日本人の名前で漢字7文字以上の人は
ほとんどない、ということだった。
上下同じ枠内に当選した人の名前を入れなければならないので、その
大きさは最大の文字数に合わせる。
それが、だいたい6文字で、稀に7文字あった。


親も考えてつけるのだろう。
長い苗字の人の名前は、たいてい短かった。
寿限無みたいな人はいなかったので安心した。



何年かすると、懸賞の商品を選ぶのを任されるようになる。
これも、大手だと編集プロダクションに丸投げするところもあるが、
たいてい下から3番目ぐらいの編集者が担当する仕事である。


いまは、たいていのものが手に入るので、何らかの付加価値をつけ
なければ誰も懸賞に応募してくれない。
かといって、あまりお金もかけられない。


そのあたりが面倒くさくなったのが、秋田書店なのだと思う。



21世紀、スマホが普及している時代に、わざわざアンケートを書いて
ハガキで送ってもらう作業が必要なのか、という疑問もあるのだが、
そういう手間をかけてくれる読者を信用したい、という編集者の願望
があるのだろう。


そこに、妙なバイアスがかかっている可能性もあるので、いまは
ハガキだけではない方法で読者の声を集めているのだと思う。


社会が豊かになっても、人は景品を用意しないとアンケートに答えて
くれないのかどうか、統計学の先生にでも確かめてもらいたい。