いまどきの若者で、読売新聞や朝日新聞のような全国紙で働きたいと
思っている人はどのくらいいるのだろう?
バブル期のころ、朝日新聞を半年で退社した人がいて、ググったら
林ひふみという名前だった。いまは明治大学の教授になっている。
なんで憶えているかといえば、たしか地方局でサツ回りをさせられて、
セクハラ・パワハラ(という言葉は当時なかった)を受けて辞めた、と
一部で話題になったからだ。
で、当時は「あの朝日新聞を半年で辞めるなんて」と彼女を揶揄する声が
多く、今どきの若者は我慢が足りないし、やっぱ女なんてダメだ、という
結論に落ち着いていた。ネットがあれば炎上していただろう。
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いまは、記者志望で新聞社に入ったら、新人はたいてい地方局で地味な
警察・消防関係の取材をして、東京や大阪の大都市に戻ってきて政治部・
社会部・文化部などのどこかに入っていく、という育成コースが分かって
いる。
しかも、新聞社といわず、マスコミの多くはパワハラ・セクハラが当たり前
のようにある職場だ、ということも、調べれば分かる時代だ。
それでも大手新聞社で働きたい、と思う若者は、どういう理想を抱いて
いるのだろう、と思う。
いや、そんな理想は面接のときに偽装するだけで、本音は給料が高く
リストラされにくい会社に就職したい、ということなのかもしれないが、
紙の媒体がこのまま30年以上続くとも思えず、沈みゆく船に敢えて乗る
勇気がすごい。
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なんでこんなことを書いたかというと、今朝の大手新聞の朝刊の1面が
並べられた写真を見たからだ。
読売新聞を除いて、沖縄県知事選挙で翁長氏が当選、というのがトップに
なっている。整理部が普通の感覚を持っていたら、そうするだろう。
読売新聞の整理部は、安倍政権の意向を忖度している、と考えてよろしい
のだろうか。
そして、読売新聞で働いている記者たちは、自社の1面を見て何も思わない
のだろうか。
さらに言えば、読売新聞を第一志望にしている若者は、面接でどういう
ことをアピールするのだろう。
「政府の発表に見出しをつけて清書する簡単な仕事だと思いまして……」