Boaz2014-11-17

いまどきの若者で、読売新聞や朝日新聞のような全国紙で働きたいと
思っている人はどのくらいいるのだろう? 


バブル期のころ、朝日新聞を半年で退社した人がいて、ググったら
林ひふみという名前だった。いまは明治大学の教授になっている。


なんで憶えているかといえば、たしか地方局でサツ回りをさせられて、
セクハラ・パワハラ(という言葉は当時なかった)を受けて辞めた、と
一部で話題になったからだ。


で、当時は「あの朝日新聞を半年で辞めるなんて」と彼女を揶揄する声が
多く、今どきの若者は我慢が足りないし、やっぱ女なんてダメだ、という
結論に落ち着いていた。ネットがあれば炎上していただろう。



いまは、記者志望で新聞社に入ったら、新人はたいてい地方局で地味な
警察・消防関係の取材をして、東京や大阪の大都市に戻ってきて政治部・
社会部・文化部などのどこかに入っていく、という育成コースが分かって
いる。


しかも、新聞社といわず、マスコミの多くはパワハラ・セクハラが当たり前
のようにある職場だ、ということも、調べれば分かる時代だ。


それでも大手新聞社で働きたい、と思う若者は、どういう理想を抱いて
いるのだろう、と思う。


いや、そんな理想は面接のときに偽装するだけで、本音は給料が高く
リストラされにくい会社に就職したい、ということなのかもしれないが、
紙の媒体がこのまま30年以上続くとも思えず、沈みゆく船に敢えて乗る
勇気がすごい。



なんでこんなことを書いたかというと、今朝の大手新聞の朝刊の1面が
並べられた写真を見たからだ。


読売新聞を除いて、沖縄県知事選挙で翁長氏が当選、というのがトップに
なっている。整理部が普通の感覚を持っていたら、そうするだろう。


読売新聞の整理部は、安倍政権の意向を忖度している、と考えてよろしい
のだろうか。
そして、読売新聞で働いている記者たちは、自社の1面を見て何も思わない
のだろうか。


さらに言えば、読売新聞を第一志望にしている若者は、面接でどういう
ことをアピールするのだろう。
「政府の発表に見出しをつけて清書する簡単な仕事だと思いまして……」