マンガの編集者には、大きく分けて2種類ある。
ひとつはプロデューサー型で、もうひとつは作家型である。
プロデューサー型は、どのマンガ家にどんなテーマで描かせたらヒット
するかを考えるタイプで、一般的にイメージする編集者はこれだ。
この場合、引き出しの多いマンガ家と相性がいい。
作家型は、自分で話を考えるタイプである。
自分で、といってもマンガ家と一緒になって作り上げる、と言った方が
正確だろうか。
絵はうまいけれど物語が弱いマンガ家と相性がいい。
作家型の編集者は、ヒット作を連発すると独立することも多い。
講談社の樹林伸や小学館の長崎尚志が有名だが、そういう才能のある人
はごく一部である。
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マンガ家と編集者が巡りあうのは、ほとんど運である。
多くの場合は、フツーのマンガ家とフツーの編集者が仕事をして、フツーの
マンガができる。
けれども、中にはすごい才能のある人が有能な編集者と出会って、マンガ史
に残るような名作を生むこともある。
そこは運だし、マンガの才能を見抜く目というものも問われる。
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で、運まかせではいかんと思って、講談社から独立したのが佐渡島庸平だ
ろう。コルクという会社を作って作家のエージェントを始めた。
マンガ家からみれば、コルクに持ち込めば佐渡島庸平に見てもらえると
いうことである。編集者を指名できるわけだ。
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大手出版社の場合は、人事異動がある。
小学館は比較的異動が多い会社で、中にはマンガ雑誌なんか作りたくない、
と思っている人がマンガの編集部にいたりする。
(だからといって無能なわけではなく、逆にヒット作を出すこともある)
マンガ雑誌をずっと続けたいと思っている編集者がいても、そうならない
場合もあるし、管理職になったら実務にタッチできなくなる。
じゃあ、能力のあるマンガ編集者に外注した方が効率がよくないか、と
いう話になるだろう。
編集者にとっては、安定を捨てなければならないが。
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下請けの編集プロダクションではなく、エージェントとしての仕事が
成功するかどうかは、生え抜きの作家がどのくらい育つかにかかっている。
期待して待っていよう。