内田樹は「日本辺境論」で、日本人の特徴を“キョロキョロすること”と
書いていた。
それは他者の視線が常に気になるということである。
他者というのは、もっと正確に言うと欧米、ほとんどは米国のことだ。
憲法改正や参議院廃止の議論には、欧米ではこうだが日本ではこうだ、
という資料を出してくる。
明治時代からマインドが変わっていないのではないか。
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大国は自分に自信があるから、よその国がどうあろうと頓着しない。
日本も、自分の得意分野については同じだろうと思ったら、そうでも
なかった。
「クールジャパン」と言われて、またもキョロキョロし始めたのだ。
どうやら官僚には、とにかく欧米と同化しなければいかんという思考
回路がビルトインされているらしい。
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小学生から英語を教えるというのも、その一例だ。
子供を九官鳥にして終わるだけなのに。
もし英語ができればビジネスに有利だと考えるなら、大間違いである。
ビジネスに有効なのは語学ではなく、ずうずうしさである。
俺が俺がという人が、外国でビジネスを成功させるのである。
学校教育で協調性を押し付けておいて、社会に出たら我が強い人間に
なれというのは無理であろう。
逆に、学級崩壊をさせるような協調性のない子供にこそ、ビジネスを
やらせるべきだと思う。
そういう子は、欧米が自分たちをどう見ているだろうか、とキョロキョロ
することはない。根拠のない自信に満ち溢れているからである。
その中の9割は、すぐに鼻をへし折られるだろうが、残りが生き残れば
世界で通用するだろう。
個人的には大嫌いなタイプだが、普通の子供たち全員に英語を無理強い
することに比べれば、はるかに生産的だと思う。