- 作者: ドラえもんルーム
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2014/02/03
- メディア: 新書
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して抜き書きしたものである。
ひとつひとつが短いので、さっと読める。
何度も繰り返して読みたい一冊である。
第2章「僕のまんが論」は、小学館の藤子不二雄賞の年代別のコメントが
載っていて、これまで読んだことがなかっただけに貴重だった。
その中で繰り返し語っているのは、マンガだけではなく映画や小説などを
もっと見ましょう、ということだった。
167ページにある藤子不二雄賞第4回の総評では
プロは、一人でも多くの読者を満足させてこそプロと言えるのです。
一人よがりの自己満足は通用しません。自作のおもしろさに客観性を
持たせてください。
面白い本や映画を、読んだり、見たりしてください。おもしろさの
本質を見きわめる目が育ちます。その目で、自分の作品をしっかり
見据えながら、傑作を書き上げてください。
とある。
これは新人マンガ家に向けて語った言葉だが、編集者やプロデューサー
にも通じるのではないだろうか。
「おもしろさの本質」が分かっていないと、どんな企画を立てても失敗
すると思うが、そのことが分かっていない人が多い気がする。
「おもしろさの本質」とは、作家性と普遍性のバランスではなかろうか。
王道とかワンパターンとか言われる普遍性をないがしろにしては、傑作は
生まれないが、それだけでは新しさが、わくわくするような感じがない。
それを死ぬまで考え続けたF先生の言葉は、やはり説得力がある。