NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見た。
作家のエージェントをする会社を立ち上げた佐渡島庸平の
ドキュメントである。
欧米では当たり前の、作家と編集者の間をつなぐ代理店業は、
長らく日本には定着しなかった。
そういう商習慣だったからだろう。
作業を丸投げされる編集プロダクションは無数にあるけれど、
誰もエージェント業を立ちあげなかったのは、大手出版社の力が
それだけ強かったのだと推測される。
いまは電子出版という武器があるので、紙媒体で出せなくても
作品で勝負できる、と踏んだから独立したのかもしれない。
あるいは、マンガ家の方からも意見を世の中に発信できるように
なり、きちんとした契約がない関係が見直されつつあるので、
代理店業のニーズは増えると思ったのかもしれない。
(それにしては、ヤマザキマリも佐藤秀峰もコルクと契約して
いないな)
いずれにせよ、マンガ業界もようやく近代化した、ということか。
↓
ここから話は脱線する。
私もかつてほんの少しだけマンガの編集を手伝ったことがあった。
そのときは、可能な限りマンガ雜誌を読むようにしていた。
といっても、週刊少年誌と青年誌、月間少年誌ぐらいだったが。
その後、編集の仕事を離れても、しばらくは週刊少年誌と青年誌を
読む習慣は続けていた。
しかし、10年ほど前からそれに疲れてきて、いまは少年サンデーを
購読するだけである。
年代にもよるだろうが、いま、どのくらいの人が毎週マンガ雑誌に
目を通しているのだろう?
私のように、途中から脱落した人は、もう一度雜誌を買おうとは
思うまい。
その一方で、深夜アニメの原作になったマンガに興味を持つ人も
たくさんいるような気がする。
ただ、そういう場合、雜誌ではなく単行本を集めるパターンが
ほとんどではなかろうか。
↓
話を整理すると、マンガ雑誌・単行本・アニメという関係が、どうも
うまく連動していないのではないか、ということなのだが、おそらく
大手出版社はマンガ雑誌をスマホで読めるようにしたいのだろう。
それはそうなのだが、私はもう浴びるようにマンガを読む体力はない
ので、必要なのはマンガのソムリエなのである。
アマゾンで「これを買った人はこれも買っています」的なやつの精度を
上げたソフトができたら、便利なのではないかと。