Boaz2014-11-09

アニメ「SHIROBAKO」が面白い。
私はこれと「甘城ブリリアントパーク」を毎週楽しみにしている。



SHIROBAKO」は、架空のアニメスタジオで働く人を、かなりリアルに
描いた作品である。


リアルといっても、現場を見たわけではないから本当のところは
分からないのだが、現在の深夜アニメがどういう手順で作られて
いるのかが、とても具体的かつ面白く表現されている。


内輪ネタを、ここまで娯楽性を高めてアニメにした作品は、おそらく
初めてではなかろうか。
90年代にガイナックスが「おたくのビデオ」というOVAを出しているが、
連続アニメで企画が通ったのは初だと思う。



マンガが、マンガ家や編集者とのやりとりなどの、マンガの製作過程に
自己言及したのは、わりと早かったと思う。


1960年代に永島慎二が「漫画家残酷物語」を描いており、それ以降も
たぶん様々な作品があったはずだ。
最近だと島本和彦の「燃えよペン」とか「吼えよペン」などがヒット
している。


マンガが早く自己言及できたのは、コストがあまりかからなかったから
である。ページが空いていれば、実験的な作品を掲載できる余裕があった
のだろう。



だが、アニメは本気で作ったら1話1000万円以上かかる。
連続アニメで資金を回収できないリスクを考えると、うかつに作家性の
ある作品の企画にゴーサインを出すわけにはいかない。


SHIROBAKO」がどういう経緯でスタートできたのかは分からないが、
“アニメのアニメ”の企画を通した製作委員会の勇気に敬意を表したい。


資金が回収できるかどうかは、誰にも分からないけれど、日本のテレビ
アニメ史において画期的な作品になることは間違いない。


ようやくアニメもジャンルとして一皮むけたような気がする。