今日の「ガキの使い」は、オッサンが昔のファミコンゲームをやる、
というものだった。それだけなのに面白かった。
今の若い人はどう思うのだろうか。
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私が中学生のころ、まだファミコンは発売されておらず、アーケード
ゲームが主流だった。
前にも書いたかもしれないが、当時通っていた塾の近所に、奇妙な
ゲームセンターがあった。
外見は普通の民家で、中にアーケードゲーム機が10台以上置いてあった。
管理しているのは、得体の知れない爺さんで、私たちは「ジジイの
ゲーセン」と呼んでいた。
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80年代は、まだゲームセンターは不良の集まる場所とされており、
学校からは禁止されていた。
が、「ジジイのゲーセン」は、一見するとただの民家なので、根性のない
中学生にとっては入りやすかった。
ゲームはほぼ50円でプレイできた。後に10円のもできた。
私が入れ込んだのは、ニチブツの「ムーンクレスタ」というゲームだった。
当時は「ギャラガ」の方が人気があったし出来も良かったのだが、
私はなぜか「ムーンクレスタ」の方が好きだった。
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大人になって推理すると、おそらくアーケードゲームをリースする
業者がいて、独居老人や空きスペースがある人に営業をかけたのだろう。
電気代はかかるが、ガキが小銭をいくらでもつぎ込むから儲かります
よ、とか言って。
その民家のゲーセンが、どのような終焉を迎えたかは記憶に無い。
もう場所も思い出せない。
玄関の引き戸を、呼び鈴も鳴らさずに勝手に開けると、三和土に
たくさんの子供の靴が脱ぎ捨ててある。
家主の老人の存在は誰も気にせず、ただゲームをしている。
いま思うと、異様な光景だった。
あの老人はどんな気持ちでいたのだろう?