「怒り新党」を見ていたら、試着しているときに店員に声をかけられる
のに腹が立つ、というお便りがあった。
それから話は洋服店の店員の傲慢さに移っていったのだが、私もファッ
ション関係の人の態度には前から疑問があった。
といっても、もう20代のころの話なので、今は違うのかもしれないが、
どう考えても服を買わせるような接客ではないのである。
おそらくそうすることによって客を選別し、ブランドの価値を上げて
いたのだろう。
しかし、8割の人はファッションをガンガン攻めていきたいわけでは
なく、かといってダサいのもなぁ……というぐらいのマインドなのだ。
そういうお客さんを一気に取り込んだのがユニクロである。
ファストファッションと揶揄されることもあるが、ファッション業界が
これまで捨てていた客を大きな市場に変えたのだから、文句を言うのは
筋が違う。
もっとも、ユニクロがブラック企業だと分かったので、私はもうユニク
ロで服は買わない。というか、ファッションなど基本的にどうでもいい
ので、いつも同じ服でも全く気にしない。自宅警備員だし。
それはともかく、普段着とファッションを結びつけ、イトーヨーカ堂や
ジャスコではないブランド価値を作ったユニクロは、今後も売れ続ける
だろう。
個人商店が潰れて、スーパーが繁盛するようなものか。
↓
そもそも論でいうなら、ファッションとは馬鹿にする人と馬鹿にされる
人の差異で成り立つものだろう。
何がダサくて何が格好いいかは、常に馬鹿にする立場が決めるゲームで
ある。
中国の人民服は、そのゲームを無効化するためのものだったが、誰も
ついてこなくなって消えた。
ただ、オッサンはスーツを着ていれば怪しく見えない。
スーツにも差異があるだろうが、少なくとも奇異に見られることはない。
資本主義の人民服である。
そのスーツが表としたら、裏はユニクロのフリースであろう。
ユニクロの社長が大金持ちなのは、資本主義国の裏の人民服を売ったから
である。