先日、アニメ「赤毛のアン」の第30話を見た。
アンがマリラの留守中に行商人からインチキな髪染め液を買って、
髪の毛が緑色になる話だ。
私は子供の時、この話で「烏の濡羽色」という言葉を初めて知った。
周りに髪の毛を染めている人がほとんどいなかったから、黒髪という
のはそんなにいいものか、と思った。
憶えていたのは「烏の濡羽色」という言葉だけで、他のエピソードは
完全に忘れていた。なので、アンがベリーショートになるのも知らず、
ちょっと驚いた。
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そういえば、アニメではアンは三つ編みのまま寝ていた。
あれは不自然ではないのか、とうっすら思っていたが、子供向けの
アニメのキャラクターなので、コロコロ髪型を変えて混乱させては
いけない、という配慮だろうと考えていた。
赤毛のアンに限らず、アニメのキャラクターはだいたい同じ服を着て、
同じ髪型をしている。
最近はそうでもないが、いつも同じ服ばかり、と難癖をつけるのは
野暮であろう。
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逆に、テレビドラマではファッションショーのように毎回服が変わる。
私は服に興味がないので、どんな服を着ていたのか全く憶えていないが、
人気俳優が着ていたのと同じものが売れている、という話をよく聞くので、
多くの人はどんな服を着るのか注目しているのだろう。
アニメはファッションが変わらず、テレビドラマは変わる。
前者が子供向けで、後者が大人向けだから、というのが大きな理由の
ひとつだろうが、実写の俳優の顔が認識できるのも重要だと思う。
つまり、アニメを見慣れない人が萌えアニメなどを見ると、みんな同じ
顔に見えてしまうから、髪の色とか服などで見分けているのではないか。
逆に、俳優は何を着ていても俳優だから、有名な人なら見間違えはしない。
と、断言できればいいのだが、ぼんやりとした印象しか残らない俳優もいる
ので、そのあたりは演技力とかの問題もあるかもしれない。
あと、外国の映画で、白人や黒人ばかりがたくさん出演していると、誰が
誰だか分からなくなることもある。
いや、中国人ばかりの映画でも分からなくなることがあるし、よく知らない
俳優がたくさん出演している作品は、慣れないと分からないと言うべきか。
外国人に限らず日本人でも、例えばアイドルグループに興味がなければ、
もう誰が誰だか分からない。
知らない人に認知してもらうというのは、大変なことなのだろう。
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そういやドラマ「半沢直樹」は、スーツのオッサンばかりが画面に出て
いたが、あれもどんなスーツなのかを細かくチェックしていた人がいた
のだろうか。
むしろ、ファッションなど二の次で、キャラクターでぐいぐい押していた
印象があり、テレビドラマがアニメの方法論を借りていたと言えるかもしれ
ない。