Boaz2014-10-29

先日、アニメ「赤毛のアン」の第30話を見た。
アンがマリラの留守中に行商人からインチキな髪染め液を買って、
髪の毛が緑色になる話だ。


私は子供の時、この話で「烏の濡羽色」という言葉を初めて知った。
周りに髪の毛を染めている人がほとんどいなかったから、黒髪という
のはそんなにいいものか、と思った。


憶えていたのは「烏の濡羽色」という言葉だけで、他のエピソードは
完全に忘れていた。なので、アンがベリーショートになるのも知らず、
ちょっと驚いた。



そういえば、アニメではアンは三つ編みのまま寝ていた。
あれは不自然ではないのか、とうっすら思っていたが、子供向けの
アニメのキャラクターなので、コロコロ髪型を変えて混乱させては
いけない、という配慮だろうと考えていた。


赤毛のアンに限らず、アニメのキャラクターはだいたい同じ服を着て、
同じ髪型をしている。
最近はそうでもないが、いつも同じ服ばかり、と難癖をつけるのは
野暮であろう。



逆に、テレビドラマではファッションショーのように毎回服が変わる。
私は服に興味がないので、どんな服を着ていたのか全く憶えていないが、
人気俳優が着ていたのと同じものが売れている、という話をよく聞くので、
多くの人はどんな服を着るのか注目しているのだろう。


アニメはファッションが変わらず、テレビドラマは変わる。
前者が子供向けで、後者が大人向けだから、というのが大きな理由の
ひとつだろうが、実写の俳優の顔が認識できるのも重要だと思う。


つまり、アニメを見慣れない人が萌えアニメなどを見ると、みんな同じ
顔に見えてしまうから、髪の色とか服などで見分けているのではないか。


逆に、俳優は何を着ていても俳優だから、有名な人なら見間違えはしない。
と、断言できればいいのだが、ぼんやりとした印象しか残らない俳優もいる
ので、そのあたりは演技力とかの問題もあるかもしれない。


あと、外国の映画で、白人や黒人ばかりがたくさん出演していると、誰が
誰だか分からなくなることもある。
いや、中国人ばかりの映画でも分からなくなることがあるし、よく知らない
俳優がたくさん出演している作品は、慣れないと分からないと言うべきか。


外国人に限らず日本人でも、例えばアイドルグループに興味がなければ、
もう誰が誰だか分からない。
知らない人に認知してもらうというのは、大変なことなのだろう。



そういやドラマ「半沢直樹」は、スーツのオッサンばかりが画面に出て
いたが、あれもどんなスーツなのかを細かくチェックしていた人がいた
のだろうか。


むしろ、ファッションなど二の次で、キャラクターでぐいぐい押していた
印象があり、テレビドラマがアニメの方法論を借りていたと言えるかもしれ
ない。