長嶋茂雄と松井秀喜に国民栄誉賞が与えられるとのこと。
そのこと自体はあまり関心がないのだが、長嶋茂雄というキャラクターは
マンガ・アニメ史でも特筆すべき存在である。
実在のプロ野球選手がマンガやアニメに実名で登場して、これほど強い
印象を残した例もなかったのではないだろうか。
「巨人の星」や「侍ジャイアンツ」がすぐに思い浮かぶが、どのくらいの
作品に出ているのか見当もつかない。
そして、国民的なスター選手なので、少年たちの模範になるような人物と
して描かれている。
あるいは大人向けのギャグ作品だと、天然キャラになっていたりするが、
そこに悪意は感じられない。
ところが、私が知っているマンガでひとつだけ、かなり悪い人として
描かれている作品がある。
それが細野不二彦の「愛しのバットマン」だ。
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鹿児島に本拠地がある架空のプロ球団に属する主人公が活躍する内容で、
その中に登場する東京の球団の監督が、どう見ても長嶋茂雄なのだ。
(もちろん名前は違うが、見れば誰でも分かる)
この監督は、主人公のチームに勝つためなら手段を選ばない悪人として
描かれており、私は読みながら(大丈夫か、これ……)と思ったものだ。
細野不二彦が、なぜ長嶋茂雄をこのように描いたのかは謎である。
アンチ巨人だったからかもしれないし、あまりにも現実とかけ離れた
キャラクター像に異議申し立てをしたかったのかもしれない。
そういえば、ノンフィクション作家は長嶋茂雄を題材にしたことがあった
のだろうか? 生きているうちは出版できないので、誰も取材していない
ような気もする。