Boaz2012-08-10

ずっと前に友だちが貸してくれた小松左京の短篇集を読んだ。

霧が晴れた時 自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫)

霧が晴れた時 自選恐怖小説集 (角川ホラー文庫)

1963年から1976年までに書かれているものから自選したものだそうだ。


ちょうど年代がウルトラシリーズの初期のころなので、「蟻の園」という
短編などは、ウルトラセブンの「あなたはだあれ」に影響を及ぼしている
ように思える。


私が小松左京らしいと思ったのは「骨」という短編だった。
ひたすら発掘を続ける男の話だが、知識と体力にものをいわせて書き進ん
だ作品で、ストーリーはほとんどなく、小松左京が人類史をゴリッとまと
めた、という感じで、読んでいて疲れた。


あと「悪霊」という短編では、“伊予の兄妹心中”という歌が出てくる。
私は松山の人なのだが、この小説を読むまで知らなかった。
旧制高校ではよく唄われたそうだが、本当だろうか?