軍師二人

新装版 軍師二人 (講談社文庫)

新装版 軍師二人 (講談社文庫)

司馬遼太郎の初期短編集である。
今はなき坊っちゃん書房の閉店する日に買った文庫本で、ずっと放ったらかして
いたが、何となく気になって読んでみた。


表題の「軍師二人」は、後藤又兵衛真田幸村のことである。
ということは大坂夏の陣の話で、タイミング的にもいま読んでよかった。


古田織部の晩年を描いた「割って、城を」を読むと、司馬遼太郎はあまり
この人物を好きではなかったようだ。
へうげもの」と比べると、そう思う。


他の短編は、私は知らない武将の話で、それぞれちょっと色っぽい場面が
ある。編集者がそういうのを入れてほしいと言ったのか、それとも作者が
入れたかったのか、よく分からないけれど、なんというか司馬遼太郎
若さを感じてしまった。