地方の未来

NHKの「日本の、これから」という番組の冒頭だけを見た。
全国で人口が流出している中、東京・千葉・神奈川・愛知・滋賀・福岡だけが増加
している。
特に東京は38万人も増えたそうだ。首都圏の人口流入は突出している。


考えてみれば当たり前である。
面白いこと=情報は、東京に集中しているからだ。


かといって、このままでは地方が大変なことになる。
とにかくカネがないのだ。そこに追い討ちをかけるように、国は地方を切り捨てようとして
いる。


このまま地方が疲弊していけばどうなるのか。
農林水産業の一次産品がなかなか作れなくなり、値段が上がるだろう。
輸入でまかなえないものや、農薬を使っていない作物などを求める人はいるから、需要はな
くならない。
そうすると、資本を持った人が農林水産業の再編成をするかもしれない。


農協や行政は、頑として抵抗するだろうが、実際に人口が減って田畑が荒れ果ててしまえば、
四の五の言ってられなくなるだろう。
実際、大企業だって札束で面をひっぱたかれるようにして買収される世の中である。
儲かると分かれば、どんなことをしても手に入れるはずだ。


そうした一次産品を首都圏まで運ぶためには、物流のインフラが不可欠になる。
流通網は、すでにほとんど完成されているから、メンテナンスのコストを考えるだけでいい。
ていうか、そのコストは自治体が負担すべきものだろうし。


競争力のある一次産品が全くない地方はどうなるか。
私は産業廃棄物処理場になってしまうと思う。
裁判で有名になった、瀬戸内海の豊島(てしま)という島みたいに、大都市圏からのゴミが
集まってくるだろう。


このような予想は悲観的すぎるかもしれない。
しかし、糖尿病の人が、失明したり手足を切断して初めて、ことの重大さに気づくように、
大都市の人は地方が具体的にクラッシュしないと分からないのだと思う。
いや、すでに夕張市が破綻しているが、大都市の人にとっては全く影響がないために、危機
感は共有されていない。そこが恐ろしいのだが。


いま繁栄を謳歌している大都市も、石油があるから持っているようなもので、原油はいつか
必ず枯渇するのである。
たぶん中学生だって知っている事実だが、自分が生きている間は大丈夫だと思っているので、
深刻に考える人はいない。


もし地方にチャンスがあるとするならば、なるべく石油に頼らない小さなライフサイクルを
準備しておくことかもしれない。
いざというときでも、自分たちの食べるものを自給できるようにしておけば大丈夫かな、と。


本文と写真はまったく関係ありません

日付は去年のものです