*[本]インド宗教興亡史

インドでは現在ヒンドゥー教至上主義が広がっている。
それ以前はどうだったか、概説してくれる良書だった。
ただ誤植が多い。以下にまとめておく。

p112 7行目 強くりなり→強くなり

p152 最後の行 アウランガゼーブ帝→アウラングゼーブ帝

p169 7行目 倫理的なで→倫理的で

p181 7行目 ソロアスター教徒→ゾロアスター教徒

p239 11行目 いすれにしても→いずれにしても

筑摩書房校閲は何をしておったのだろうか。


ヒンドゥー教が信仰されている限り、インドに西欧的な
近代は定着しないだろう。
おそらく中国もそうで、西欧がいう近代は普遍的なものか
どうか疑問に思っている国は多いと思う。
ロシアもそうで、その反動がウクライナで暴発したのだ。



ところで、インドと中国はヒマラヤ山脈があるために
陸路での交流は難しかったはずだ。
だが、中国から命がけでやってきた僧侶が仏教を
持ち帰り広がった。
日本人のお坊さんが読んでいるお経は、漢訳された
仏典であろう。


では、中国からインドに及ぼした影響は何があるの
だろうか? 紙や羅針盤や火薬のような発明が多く、
思想的なものは何もなさそうである。
儒教がインドには広がらなかったのはなぜなのか。
イスラム教徒のように侵略しなかったからなのだろうか。


このあたりの、インド文明と中華文明の相容れない感じが
不思議でならない。