食べ物のことはからだに訊け!

「◯◯さえ食べれば大丈夫」的な、健康に関するトンデモ本の内容を
チェックして、そのほとんどが極論にすぎないことを書いた本である。
理路整然として読みやすく、啓蒙的な一冊なので、あらゆる人に
お薦めしたい。


でも、トンデモ本を買う人は、そもそも岩田健太郎の本を手に取らない
ような気がする。


マンガ好きにとっては、第六章の「『美味しんぼ』から『もやしもん』へ」
が面白かった。
ひょっとして「絵でわかる感染症withもやしもん」のステマ? 
絵でわかる感染症 with もやしもん (KS絵でわかるシリーズ)
いやいや、お医者さんでここまでリーダーフレンドリーな本をたくさん
出してくれる人は珍しいので、こういうコラボはどんどんやってほしい。


すでに修正していると思うが、念のため誤植の指摘を。
p242 のあとがきの後ろから4行目
×「ゼロリスク新興」
◯「ゼロリスク信仰」



この本のタイトルは、ちょっと挑発的だが、からだが欲するものを
食べましょう、という意味だと思う。


私がブラジルに旅行したとき、1週間以上ほとんど牛肉ばかり食べ
続けた。人生でこんなに肉ばかり食べたのは、後にも先にもあの
ときだけだ。


すると、帰国してから1ヶ月ぐらいは、牛脂が焼ける臭いがした
だけで気持ち悪くなるので、焼肉やステーキは食べられなかった。
身体が拒んでいたのだと思う。


普通の人は、同じものばかり続けて食べていると飽きる。
なので、なるべく違うものを満遍なく食べるのが身体にいいのでは、
ということだと解釈している。



あと、私は数年に1度、無性に赤ワインが飲みたくなる。特に酒が
強いわけでもないのだが、そのときは安いワインを買ってきて、
ちびちび飲む。
5本ぐらい飲んだら、突然飲みたくなくなる。


こんな変なことは私だけかもしれないが、誰でも突然カレーが食べ
たくなることはあるだろう。
そういうときは、素直にカレーを食べたらいいと思う。


なので、私はなるべく晩飯の献立をずっと前から決めたりはしない。
自炊しているから、そのへんは自由で助かっている。


しかし、家庭がある人はどうなんだろう。
帰宅して出てきたものと、その日食べたかったものが合致している
幸運な例はあまりないのではないか。


主婦にしてみれば、今日何が食べたい? と訊いて、何でもいい、と
言われたのに、いざ出してみたら文句が出てイラッとする、なんて
ことはよくあるに違いない。


子供がいると、子供に合わせたりするのだろうか。
そのあたりのゴタゴタが、家庭の団欒に加味されていくのだろう。
まさに私の味わったことのない世界である。