*[本]進撃の巨人 34巻

単行本派なので、ようやく最終話を読めた。

終盤ぐらいから、大江健三郎のテイストを感じていたのだが、
同感の人はいるだろうか。
詳しい人は比較してみると面白いかもしれない。


月刊誌の連載で、しかも単行本で読んでいたので、数ヶ月前の
話をすっかり忘れてしまい、前の巻から読み直していた。
でも、その前の巻もやはり忘れており、きちんと感想を述べる
には最初から一気に読まないといかんのでは、と思う。


とはいえ、こうして大団円を迎えて、大きな物語が終わった
余韻を噛み締めている。
おそらくいろんなパターンを考えた末に選んだラストだった
と思うけれど、私はそれでよかったのだと思う。


生命はただ増え続けることが目的なのか、という問いに
対して、生きている幸せを感じることもまた意味がある
のだ、という回答は、これほど多くのキャラクターが
犠牲になった話であるがゆえに、説得力を増したのかも
しれない。


世界中の人が進撃の巨人をどう読み解くかは分からないが、
作者も軽く絶望しているように、人類は殺し合い続けるの
だろう。


もしかしたら、30年後には「はだしのゲン」的なポジションの
マンガになっているかもしれない。