- 作者: 上遠野浩平,緒方剛志
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1998/02/06
- メディア: 文庫
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なので古本屋で買って読んでみた。
なるほど、ひとつの事件をいろんな角度から語る叙述形式だったのか。
シーケンシャルに読んでいくと、最後に全体像が分かる。
ちょうど3Dプリンターで立体物を造形するように、途中ではよく
分からなくても最終的にはこんな形だったのか、と理解できるのだ。
原作を読み終えてから、アニメを3話までもう一度見た。
やっぱり小説を読んでいないと伝わらない部分があって、アニメだけ
だと魅力が半減する。もったいない。
小説で一人称で書かれていることをアニメでどう表現するか。
普通はモノローグのナレーションを入れるのだろうけど、それだと
ラノベの朗読になってしまう。
かといって、そのまま全体を三人称で語ってしまうと、時系列を
きちんと表示していないので視聴者が混乱する。
アニメの欠点はそういうことなのだろう。
↓
1998年のラノベなので、ネットもスマホも出てこない。
私なんかは逆に懐かしいのだが、今の若者はどう思うだろうか。
しかし、そういう技術的な進歩は抜きにしても、思春期の少年少女の
背伸びした心理は普遍的に描かれているので、いま読んでも面白い
とは思う。
私はもうオッサンなので、残念ながらそういう若さと同期することが
できなくなってしまった。
それでも本作が読みつがれているのなら、古典としての普遍性を獲得
できていることになると思うが、どうなのだろう?