響け!ユーフォニアム

10月ごろに読んだので、ちゃんとした読後感を忘れてしまったのだが、良い小説だった。
アニメの方を先に見ていたので、原作の京都弁にとまどったのだが、小説の方が生き生き
した会話であることも多く、これはこれで素晴らしかった。


作者はたぶん古典文学を多く読んでいるのではないかと思う。
この第一作目はまだ表現に拙いところもあるのだが、構成や話の骨格がしっかりしており、
二作目、三作目になるにつれて、どんどん上達しているのが分かる。


音楽学校できちんと基礎を学んで楽譜も読める人がポピュラー・ソングを書いた、と
でも言えばいいのだろうか。
対してライトノベルの多くは、独学で好きな音楽を聴きまくった人がノリと勢いで
作曲した感じか。
どちらにも面白い作品があるので、安易に比較はできないけれど。



京アニの「氷菓」とか「響け!ユーフォニアム」は、原作の小説がちゃんとしているので、
アニメ化しても素晴らしいのだと思う。
つまらない原作をいじくりまわしても、あまり面白いものはできないのだろう。


なので、できれば京アニには自前の文庫からではなく、本屋大賞レベルの原作をアニメに
してほしい。
前から言っているが、万城目学の小説を京アニが映像化したら、絶対に面白いものが
できるはずなのだ。