- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/06/27
- メディア: 文庫
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もう、少年マンガのスポーツものの文法で書かれているので、駅伝の場面を
読んでいるときの疾走感が素晴らしい。
個人的には、なぜこのタイトルにしたのか疑問なのだが、お薦めの一冊である。
(あと、なぜ登場人物の名前が「アルプスの少女ハイジ」にちなんでいるのか、
最後まで読んだけどよく分からなかった)
今期、この小説がアニメ化されていて毎週楽しみにしている。
原作をこう改変するのか、とか、ここを掘り下げるのか、とか見どころは多い。
「ハイキュー!」のスタッフが制作しているので、レースのときの迫力がどう
表現されるのか期待している。
一方で、京アニの「Free!」のスタッフが作ったらどうなっていたかを見たかった
気もする。
↓
本作はキャラクターづくりの試金石としても使えるのでは、と考えた。
これを読んでキャラクターデザインをしてみると、その人の個性が分かるのでは
なかろうか。それとも、だいたい似たような感じに仕上がるのか。
あるいは、小説を離れて、もしあなたが箱根駅伝に出場する10人を描くとしたら、
どんなキャラクターにしますか、と問われたらどうだろう。
どの区間に誰を配置して話を盛り上げるかも考慮して、10人分の人物造形をする
のは、かなり大変なしかし楽しい作業になるのではなかろうか。
もし週刊少年誌でスポーツもののマンガを描きたい人がいたら、この小説を
読んでみたらいいと思う。きっと何らかのヒントが得られるだろう。