平日のレイトショーで観客は私を含めて3人。ちょっと厳しい数字になりそうだ。
この映画は、思春期の少女たちの共依存を描いた作品である。
作者の武田綾乃はこの「響け!ユーフォニアム」シリーズの外伝的な「立華高校
マーチングバンドへようこそ」でも、同じテーマで書いている。
また、最近の深夜アニメの名作「宇宙よりも遠い場所」の第5話も、主人公キマリと
親友めぐっちゃんの共依存関係の破瓜が描かれていた。
人間関係の成長を描写するのに、良いテーマなのかもしれない。
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原作の小説では、二年生になった黄前久美子を中心に物語が進められていた
けれど、この映画では久美子は一言ぐらいしか喋っておらず、ほぼ傘木希美と
鎧塚みぞれの二人に視線を集中させている。
架空の童話「リズと青い鳥」も二人の少女の話だから、それとパラレルになる
ように対位法のような構造にしたかったのだろう。
そして二人の関係性をミスリーディングさせるためにも。
もうひとつ、「響け!ユーフォニアム」の深夜アニメ版よりも頭身をリアル寄りに
したキャラクターデザインは、繊細でともすれば生々しい少女たちを投影するため
だったのだと思う。
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それらの意図はどちらも成功しているが、画面からはずっと緊張感が漂っていて、
深夜アニメの雰囲気を期待した人にとっては、ちょっととまどったかもしれない。
この息詰まる感じは、私は好きだったけれど、他の観客はどうだったのか。
みぞれの演奏が覚醒する山場のところは、ロールシャッハテストのようにも見える
青い鳥が羽ばたく絵で表現されていた。
ここのオーボエの音はリバーブ処理されているように聞こえたけれど、小説の方が
よかったように思う。
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映画館を出て、何か同じような作品があったと考えると、実写映画「桜の園」を
思い出した。
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映画になっている。もし未見の方は是非。