Boaz2015-09-26

NHKの朝ドラ「まれ」が終わった。
このドラマが大好きな人には悪いが、私には合わなかった。


俳優は素晴らしく、中でも主役を演じた土屋太鳳はよくがんばったと思う。
が、脚本と演出が悪かった。
最高の素材を、素人が調理して台無しにした感じだ。



私が気になったのは、登場人物が都合よく登場しては引っ込むところだ。
特に草笛光子が演じた主人公の祖母のキャラクターは、ストーリーを飾るために
ひょいと使われては、すぐに引っ込められていた。


彼女ほどではないが、柳楽優弥が演じた司法書士も、話をかき回すだけかき回して、
ふいに海外に行ってしまった。最終回近くにも再登場するが、別に彼でなくても
良かった役回りだろう。


最も貧乏クジを引いたのは大泉洋ではなかろうか。
序盤に登場するものの、ほとんどは失踪しており、物語に全く絡まない。
そのあおりで、常盤貴子も、ただじっと夫の帰りを待つ人になってしまい、
最終回まで特に何をすることもなかった。


逆に、このドラマで最も得をしたのは、清水富美加だろう。
テストの花道」に出演していたときから知っていたが、こんなに売れるとは
思わなかった。



はっきり言えば、横浜編を作る必要があったのか、ということである。
能登編と横浜編が、まるで木に竹を接いだようになっており、物語の有機的な
つながりがない。


比べるのも可哀想だが、「あまちゃん」の北三陸編と東京編の話の組み立ての
うまさとは段違いである。


「まれ」の脚本を書いた人は、朝ドラを担当するにはちょっと早かったのでは
ないか、と思う。
あるいは、その脚本にダメ出しできなかったプロデューサーの力量に足りない
ところがあったのではないか。


いずれにせよ、土屋太鳳は早々に次の作品に出演して、新しいイメージを作る
べきだろう。