- 作者: 今野晴貴
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/03/20
- メディア: 単行本
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働かせ、残業代をほとんど払わずに使い潰す企業の代表例として、
ワタミやユニクロが挙げられていた。
本書でもワタミやユニクロが引き続き批判されているが、会社自体は
潰れていない。ワタミとすき家が少しふらついたぐらいである。
ということは、ブラック企業はこれからも存続していくし、どんどん
生まれてもくるのだろう。
その対策として、具体的に何をすればいいのかは、本書で紹介されて
いるサイトに詳しい。(http://bktp.org)
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なぜブラック企業が生まれ続けているかというと、彼らに労務管理を
指南する「ブラック士業」がいるからだ、と書いてある。
もうひとつ次元を繰り上げて考えてみると、従業員を奴隷化してでも
金儲けをしたい人がたくさんいるからだろう。
では、どうしてそこまで金儲けをしなければならないのか。
1.異常に欲望があるから
2.会社が潰れたら借金を抱えることになるから
3.彼らも株主や銀行の奴隷だから
ざっと思い浮かべると、こんなところだろうか。
私は、金融機関がブラック企業を生み出している元凶ではないかと
疑っている。
日銀からは尋常でない量のマネーが低金利で市場に放出されている
はずである。
そのお金はどうなっているのだろう。
少なくとも、従業員の幸せのためには使われていないのではないか。
↓
もうひとつ、ちょっと気になったのは、奴隷を管理する奴隷のことである。
本書では厳しい研修で洗脳された若者の話が出てくる。
ほとんど寝る暇もなく叱責され、人格を否定され、会社の意のままになる
様子は、とても21世紀の企業とは思えなかった。
そういう会社では、普通の人は音を上げて辞めるか病気になって退職する。
だが、何十人かに1人生き残る人が出てくる。
研修で新人を洗脳するのは、そういう生き残りだ。
この人たちは何なんだろう、と思う。
異常に体力があるのか、ひとを虐めることが大好きなのか、とにかくブラック
企業に適応して働けるのは、どこかおかしいとしか思えない。
なぜ彼らは自分を正当化できるのか、経営側になれるのは何割くらいなのか、
そもそもどんな人たちなのか、誰か調べて欲しい。
↓
私の根本的な疑問は、そこまで働かないと世の中は回らないのか、という
ことだ。
ワタミやユニクロやすき家が潰れても、特に困ることはない。
消費者がわがままにならなければいいだけの話である。
ブラック企業は、従業員のかわりはいくらでもいると思っているだろうが、
ブラック企業自身も、かわりはいくらでもいるのである。
生活のための金儲けではなく、金儲けのための金儲けをするから、死ぬほど
働かされることになるのだ。
そんなアホのために自分を犠牲にするくらいなら、働かない方がましだ。