企業は人間の再生産にどのくらい関与しているのだろうか? 

 

ブラック企業で過労死するほど働かされる人は、本人の体力も

そうだが、結婚して家庭を持つことも厳しいだろうし、していた

としても子育てに関われない。

 

ましてや銀行のような高給ならまだしも、低賃金の場合は、

ひとりの成人が次世代の子供を育てるのはほぼ不可能だ。

 

つまり長い目で見るならば、多くの人に十分な休息と賃金を

与えた方が、社会の継続性は高まる。

豊かな人が増えれば、市場も大きくなるし納税額も増える。

なにか間違ったことを言っているだろうか? 

 

 

素人でも思いつくことが、なぜできないのか。

それは企業が短期的な利益だけを見ているからである。

なぜ短期的な利益だけを見なければならないかといえば、

株主に利益を還元しなければならないからだ。

 

ということは、資本家は自分で自分の首を締めているような

ものである。

そう思わないのは、市場や人間が無限に存在していると

信じているからだ。

 

 

資本家にとって理想的な企業は、仕事ができる奴隷を使い

捨てるものだろう。

その奴隷はどこから供給されるのかは、たぶん考えていない。

 

使える奴隷を育てるには、赤ん坊から15歳ぐらいになるまでの

時間と教育費用がかかる。

このコストについて、資本家はフリーライドしている。

 

そう言うと、法人税など払いたくもない税金を渋々払って

やっているのだからタダ乗りではない、と反論するだろう。

 

たしかにその税金のほんの少しは福利厚生や教育費に

使われているかもしれない。

だがそれは10円払って1万円分食べている人が、金は払ったぞ、

と言い訳するのに似ている。

 

 

少子化は、奴隷になりたくない人の無言の抵抗である。