ダンジョン飯

噂のダンジョン飯を読んでみた。
面白かった。
架空の食材でグルメマンガを描くというアイディアが素晴らしい。


キャラも立っていて、作者は本格的なファンタジーも描ける人だと
思うが、まさかこういう形で才能が開花するとは、本人も思って
いなかったのではなかろうか。
(個人的には、p55 で人喰い植物に捕まった感触を訊かれたマルシルの
顔が良かった。あれはラインのスタンプにしたら大人気だろう)


それと、魔法が使えるので、死んでも復活できるという世界観が、
様々な食材にチャレンジする勇気を裏付けている。


本当は、ドラゴンに飲み込まれた主人公の妹を助けに行く、という
重大なミッションがあるのだけれど、その世界観のせいであまり
緊迫していない。


けれども、妹を助けるという縦軸が一本通っているので、ダラダラと
ギャグが続くというわけでもなく、読者の視線をうまく誘導している。
よくできた構造だ。


ダンジョン飯」をお薦め本にしている書店は、私的にはマンガが
分かっている担当者がいるな、という感じがする。



以下は余談。


ダンジョンものというと、私はファミコン版の「ウィザードリィ1」
ぐらいしかやったことがない。
しかし、ちゃんと方眼紙を使って一歩ずつマッピングして地図を完成
させる楽しみは、今も憶えている。


とはいえ、ゲームをやっている最中は、中のキャラクターたちが何を
食っているか、などと考えもしなかった。
多くの人が、そういうリアリティを想像するようになったのは、ドラ
ゴンクエストとかファイナルファンタジーが出てからではなかろうか。


いや、コンピュータゲーム以前のテーブルトークRPGの時代から、
そういう話で盛り上がっている人がいたのかもしれないが。



でも、ゲームに夢中になっているときは、ほとんど何も食べなくても
大丈夫だったり、ジャンクフードばかりが何日も続いたりしたものだ。
あれは健康に良くなかったけど、すごい高揚感があった。
ネトゲ廃人になる人は、それが忘れられないのだろう。


私はPS2ドラゴンクエスト8をやり終えてから、電源を入れてない。
もう4年ぐらい経ってしまったが、果たして起動するだろうか。


こんど出たドラゴンクエスト10もやってみたいのだが、ハードすら
ないのである。
そもそも、普通に働いている人だったら、ゲームをする時間がない
だろう。


ゲーム会社は、普通にゲームをする余裕のある社会を作るために
いろいろ提言すべきかもしれない。
でないと、細切れの時間でもできるソーシャルゲームばかりが
儲かることになる。


今のオッサンたちが大学生だったときに、ぶっ通しでゲームをを
やり込んだ体験が、逆に足枷になっているのかもしれないが。