
- 作者: 九井諒子
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/エンターブレイン
- 発売日: 2015/01/15
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (202件) を見る
面白かった。
架空の食材でグルメマンガを描くというアイディアが素晴らしい。
キャラも立っていて、作者は本格的なファンタジーも描ける人だと
思うが、まさかこういう形で才能が開花するとは、本人も思って
いなかったのではなかろうか。
(個人的には、p55 で人喰い植物に捕まった感触を訊かれたマルシルの
顔が良かった。あれはラインのスタンプにしたら大人気だろう)
それと、魔法が使えるので、死んでも復活できるという世界観が、
様々な食材にチャレンジする勇気を裏付けている。
本当は、ドラゴンに飲み込まれた主人公の妹を助けに行く、という
重大なミッションがあるのだけれど、その世界観のせいであまり
緊迫していない。
けれども、妹を助けるという縦軸が一本通っているので、ダラダラと
ギャグが続くというわけでもなく、読者の視線をうまく誘導している。
よくできた構造だ。
「ダンジョン飯」をお薦め本にしている書店は、私的にはマンガが
分かっている担当者がいるな、という感じがする。
↓
以下は余談。
ダンジョンものというと、私はファミコン版の「ウィザードリィ1」
ぐらいしかやったことがない。
しかし、ちゃんと方眼紙を使って一歩ずつマッピングして地図を完成
させる楽しみは、今も憶えている。
とはいえ、ゲームをやっている最中は、中のキャラクターたちが何を
食っているか、などと考えもしなかった。
多くの人が、そういうリアリティを想像するようになったのは、ドラ
ゴンクエストとかファイナルファンタジーが出てからではなかろうか。
いや、コンピュータゲーム以前のテーブルトークRPGの時代から、
そういう話で盛り上がっている人がいたのかもしれないが。
↓
でも、ゲームに夢中になっているときは、ほとんど何も食べなくても
大丈夫だったり、ジャンクフードばかりが何日も続いたりしたものだ。
あれは健康に良くなかったけど、すごい高揚感があった。
ネトゲ廃人になる人は、それが忘れられないのだろう。
私はPS2でドラゴンクエスト8をやり終えてから、電源を入れてない。
もう4年ぐらい経ってしまったが、果たして起動するだろうか。
こんど出たドラゴンクエスト10もやってみたいのだが、ハードすら
ないのである。
そもそも、普通に働いている人だったら、ゲームをする時間がない
だろう。
ゲーム会社は、普通にゲームをする余裕のある社会を作るために
いろいろ提言すべきかもしれない。
でないと、細切れの時間でもできるソーシャルゲームばかりが
儲かることになる。
今のオッサンたちが大学生だったときに、ぶっ通しでゲームをを
やり込んだ体験が、逆に足枷になっているのかもしれないが。