健さんが亡くなった。
奇しくも、安倍首相が衆議院解散を発表した日と重なった。
なぜ今日発表したのか。初七日が済んだからなのだろうか。
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私が映画を見るようになったころ、高倉健はすでに伝説の人だった。
というより「不器用ですから」というフレーズでパロディになっている人で、
往年の大スターだけれども、主演作をきちんと見ている若者はあまりいなかった
ように思う。
テレビの追悼の映像では、任侠ものは当然として、「幸福の黄色いハンカチ」と
「鉄道員」がやたらと流れていた。「幸福の黄色いハンカチ」は名作だが、
「鉄道員」はそれほどのものか、と思う。
晩年の高倉健の代表作扱いになっているとしたら、ちょっと違うような気がする。
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私が高倉健はすごい、と思うようになったのは「あ・うん」を見てからである。
当時、富田靖子が好きで、彼女が出演している作品を追いかけていたら出会った。
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板東の魅力を引き出しているのは高倉健と富司純子である。
任侠ものの映画で大活躍していた2人が、向田邦子の脚本を演じる、というのが
素晴らしく、このキャスティングは見事というほかない。
もうひとつ、私が好きな高倉健の映画を挙げるとしたら「新幹線大爆破」である。
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踊る大捜査線のスピンオフ「交渉人 真下正義」が好きな人なら間違いなく楽しめる。
犯罪で大金をせしめるモチーフの映画が70年代にはヒットしたが(「蘇る金狼」とか)
日本が豊かになると、そういう作品は企画されなくなったような気がする。
だが、不景気と格差が広がったいまなら、再び同じようなテーマの映画がヒットする
予感もする。
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あと、印象に残っているのは「野性の証明」や「居酒屋兆治」だろうか。
だが、どちらも高倉健本人よりも、共演した薬師丸ひろ子や伊丹十三の方が印象に
残る。
そういえば、伊丹十三は高倉健のことをどう思っていたのだろうか。
ちょっと気になる。
私の勝手なイメージだが、高倉健といえば吹雪、というものがある。
「八甲田山」や「南極物語」それに「鉄道員」もそうだ。
逆にハワイとか南国のイメージはない。
なぜあんなに吹雪の映画に出演したのか、不思議といえば不思議である。
心よりご冥福をお祈りします。合掌。