台風で延期された、NHKのスペシャルドラマ「妻たちの新幹線」を見た。
真野恵里菜が出演しているので楽しみにしていたが、ほんのちょい役だった。
が、昭和30年代のいいとこのお嬢さん役をやらせたら、右に出る者はいない。
昔風のワンピースがよく似合っていた。
タイトルは「妻たちの」となっていたが、特に妻が活躍するわけでもなく、
「男たちの新幹線」という内容だった。
それに、よくある高度成長期を美化したもので、あれは山の手の高学歴の
家庭の話なので、普通の人のドラマではない。
(別に普通の人の話と宣伝していたわけではないが)
伊東四朗が演じていた、国鉄総裁の十河信二は愛媛県出身だが、愛媛県の
偉人として教わったことはないと思う。
もしかしたら、出身地の西条市では小学生でも知っている人なのかもしれない。
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こういう、昔の日本はすごかった的なドラマは、いつごろから流行るように
なったのだろうか。
NHKの「プロジェクトX」がヒットしたのが2000年ごろだから、そのあたりか。
ということは、景気が低迷して、人々に自信がなくなってきたので、日本人を
鼓舞するために、この手の技術史的なドラマが作られるようになったのか。
あまり懐古趣味になってはいけないと思うが、高度成長期の話は保守派にも
革新派にも受けがいいのだと思う。
文句を言うのは、細かい時代考証や技術的な間違いにクレームをつける人
だけだろう。
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文科省は、大学をグローバル型とローカル型に分けて、ローカル型の大学は
専門学校みたいにしようとしているらしい。
私が思うに、高度成長期は企業が中卒や高卒の若者を受け入れて、会社で
専門学校的な教育をしていたので、伸びしろが大きかったような気がする。
ところが、企業は自分で教育をしなくなって、大学や専門学校に丸投げした。
その分コストはかからなくなったかもしれないが、優秀な人も育成できなく
なった。
その歪みが就職活動の不毛さにきているのだろう。
もし、高度成長期をもう一度、と願うのなら、企業にも応分の負担をして
もらう必要があるのではないか。