- 作者: 春日太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/09/16
- メディア: 新書
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時代劇を愛するあまり、こういう言い方になってしまうのだろうけど、
私はあまり時代劇に思い入れはないので、特に引っかかることなく
最後まで読んでしまった。
(ただ、大杉漣は大根役者だというのには同意する)
米国では西部劇がほとんど製作されなくなったが、事情は日本の
時代劇と同じだろうと思う。
クリント・イーストウッドが「許されざる者」を撮影したとき、
すでに馬に乗って演技ができる俳優がほとんどいなくなっていた
のだそうだ。
何事も全盛期があれば衰退期もあるもので、いつまでも輝き続ける
ジャンルはない。時代劇も同様だろう。
ファンタジーやSFも同じ道をたどっているように思える。
↓
時代劇の場合、史実と違う、とクレームを入れる人が多いのだそうだ。
アニメでいう「設定厨」と同じようなものか。
ただ、筆者は前半で「細かいことはいいんだよ」と言いつつも、最後の
大河ドラマの項では「あまりに史実と違うのはちょっと」と苦言を呈して
いる。
あまりにひどい創作は、視聴者をしらけさせてしまうのかもしれない。
私も、物語の面白さを優先させるべきで、あまり細かいことを言っても
しょうがないと思うのだが、時代考証は時代考証で面白い。
- 作者: 大森洋平
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2013/12/04
- メディア: 文庫
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していることが分かる。
他のジャンルでも、考証がしっかりしている作品は、いい加減なものより
好感が持てる。作り手にとっては厳しいかもしれないが。
↓
何度も指摘されているとは思うが、念のため。
p 202 の終わりから4行目
× たとえ去勢でも
◯ たとえ虚勢でも
新潮社の校閲は業界一だと聞いていたが、宦官にされるのは困る。