テレビの秘密

テレビの秘密 (新潮新書)

テレビの秘密 (新潮新書)

読みやすくて、ふむふむと思わせる本だった。
と同時に、筆者が「意識高い系おばさん」という感じがして鼻についた。


米国で仕事をしていた人の多くが、米国は世界で最も進んだ国なので、
それに追いつくようにしましょう、と語るのが不思議だ。


たしかに世界最先端の部分があることは認めるが、そうでない部分も
多い野蛮な国でもある。
人口や人種構成、宗教も違う国と安易に比較するべきではないと思うが、
筆者はときどきそうしている。
そこが「意識高い系」に見えるのだ。


それと、筆者は日本のマンガやアニメをよく知らないのではないか。
別に知らなくてもいいのだけれど、「アナと雪の女王」の分析では
馬脚を現していたので、あまりその方面では偉そうなことは言わない
方がいいと思う。


悪口ついでにもう一つ。
p177 から、本流に対して「亜流」という言葉を連発している。
が、文脈から判断するに、どうやら「傍流」のことらしい。
亜流というのは、ニセモノとか本物になれない、という意味があるので

経営の世界では、今、「亜流が天下をとる」と言われているのをご存知でしょうか。

とグイグイこられても、どんな経営の世界じゃ、と突っ込まれると思います。


新潮社の校閲はちゃんと読んだのだろうか?